2025年12月03日

インド経済の見通し~関税逆風下でも、政策効果により内需主導で高めの成長を維持

経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠 (さいとう まこと)

研究・専門分野
東南アジア経済、インド経済

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■要旨
 
  1. インド経済は 2025 年 7–9 月期にかけて内需の底堅さが続き、都市部の雇用改善やIT・金融・専門サービスを中心とするサービス部門の安定した伸び、政府による高い資本支出が成長を下支えした。所得税減税の効果も残存し、民間消費は堅調に推移している。
     
  2. 一方、米国の追加関税や世界景気の減速を背景に輸出は鈍化し、純輸出の成長寄与はマイナスが続いた。米国向けの低迷を中国・中東向けが部分的に補っているものの、外需全体の牽引力は限定的である。
     
  3. 物価は食品価格の変動に左右されやすいが、2025 年の食品価格下落を受けた下押し効果は 2026 年に剥落し、食品のベース効果は上押しに転じる見通しである。一方、コアインフレは 4%前後で安定している。インド準備銀行は慎重姿勢を保つものの、足元の実質金利の高止まりを踏まえると、12 月会合で小幅利下げに踏み切る可能性が高まっている。
     
  4. GST2.0の導入直後は影響が限定的だったが、10 月以降は耐久財を中心に消費押し上げ効果が徐々に顕在化している。総じて、インド経済は内需主導の成長を維持し、2025年度は年度前半の高成長を背景に6.9%へ加速、2026 年度は6.5%へ鈍化すると予想する。


■目次

1.経済・金融環境の現状
  (GDP統計の結果:成長率は8%台へ、名目との差は縮小)
  (支出別の動向:消費・投資が成長を牽引、政府消費は弱い)
  (産業別の動向:製造・金融・公共サービスが成長源泉に)
  (物価の動向:食料は振れが大きいが、コアは落ち着き総合も安定)
  (金融政策の動向:据え置き姿勢だが、バイアスは緩和傾向)
2.トピックス:GST2.0の影響
  (次世代GSTの施行タイミングと制度変更の要点)
  (経済指標の反応)
3.短期経済見通し

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年12月03日「Weekly エコノミスト・レター」)

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経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠 (さいとう まこと)

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東南アジア経済、インド経済

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