2025年12月03日

Amazon Rufusが示す「消費と生成AI」の新たな関係-消費への生成AIの浸透がもたらす「期待」と「リスク」(1)

生活研究部 准主任研究員 小口 裕

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■要旨

2025年は、消費の現場において生成AIが本格的に浸透し始めた節目の年となった。
 
大手ECのAmazon.comは、利用者の商品比較や選定をサポートするAIショッピングアシスタント「Amazon Rufus(ルーファス、以降“Rufus”)」を日本で2025年7月にリリースした。
 
物価高と不確実性が続く中で、消費者は価格比較アプリやAIレコメンドなどのテクノロジーを活用しながら、情報収集を行い、支出の最適化を図ろうとする動きが広がっていると言われる。
 
総務省の調査によれば、2025年時点での日本の生成AIの主利用は、依然として「調べるためのツール」が大勢を占めている。しかし今後、Rufusの様な生成AIを用いたAIアシスタントが消費の接点に入り込むにつれて、消費者の利便性も高まることが期待される。

しかし、その一方で、Rufusに限らず、AIが消費者に極めて近い位置で行動をアシストするようになることは、消費者行動の観点から「新たなリスク」を生み出すとも考えられる。
 
今後の消費や生活の現場でAIのアシスタント/エージェントどのように活用され、消費者とどのような関係を築いていくのか。そのメリットとリスクを、複数回に渡って分析・考察していく。

■目次

1――消費者はAIに消費の判断をどこまで委ねるのか
  1|Amazon Rufusのリリース──号砲が鳴ったショッピングAIアシスタント
  2|ECサイトの中に常駐する「AI販売員」~Amazon Rufusとは何か?
  3|Amazon Rufusの接客を受けてみる──相談チャットに見る「AI店員」の現場
2――従来の生成AIとショッピング特化型AIとの違いは何か
  1|ショッピング特化型AIの機能
   ~「検索」「比較」「Q&A」など必要な支援を会話形式で再構成
  2|ショッピング特化型AIの機能~学習データとアーキテクチャの特化
3――2026年は、消費と消費者行動へのAIインパクトが本格的に拡大する年へ
  1|「賢い消費」を模索する2025年の消費者~生成AI等のテクノロジーへの期待
  2|日本の生成AIの主利用は、依然として「調べるためのツール」
  3|顧客に寄り添う存在になれるか
   ~利便性や最適化が進む一方、慎重に向き合うべき論点も

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年12月03日「基礎研レター」)

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生活研究部   准主任研究員

小口 裕 (おぐち ゆたか)

研究・専門分野
消費者行動(特に、エシカル消費、サステナブル・マーケティング)、地方創生(地方創生SDGsと持続可能な地域づくり)

経歴
  • 【経歴】
    1997年~ 商社・電機・コンサルティング会社において電力・エネルギー事業、地方自治体の中心市街地活性化・商業まちづくり・観光振興事業に従事

    2008年 株式会社日本リサーチセンター
    2019年 株式会社プラグ
    2024年7月~現在 ニッセイ基礎研究所

    2022年~現在 多摩美術大学 非常勤講師(消費者行動論)
    2021年~2024年 日経クロストレンド/日経デザイン アドバイザリーボード
    2007年~2008年(一社)中小企業診断協会 東京支部三多摩支会理事
    2007年~2008年 経済産業省 中心市街地活性化委員会 専門委員

    【加入団体等】
     ・日本行動計量学会 会員
     ・日本マーケティング学会 会員
     ・生活経済学会 准会員

    【学術研究実績】
    「新しい社会サービスシステムの社会受容性評価手法の提案」(2024年 日本行動計量学会*)
    「何がAIの社会受容性を決めるのか」(2023年 人工知能学会*)
    「日本・米・欧州・中国のデータ市場ビジネスの動向」(2018年 電子情報通信学会*)
    「企業間でのマーケティングデータによる共創的価値創出に向けた課題分析」(2018年 人工知能学会*)
    「Webコミュニケーションによる消費者⾏動の理解」(2017年 日本マーケティング・サイエンス学会*)
    「企業の社会貢献に対する消費者の認知構造に関する研究 」(2006年 日本消費者行動研究学会*)

    *共同研究者・共同研究機関との共著

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