2025年11月28日

鉱工業生産25年10月-事前予想から大きく上振れたが、生産計画は弱め

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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■要旨

2025年10月の鉱工業生産指数は前月比1.4%と2ヵ月連続で上昇し、事前の市場予想(前月比▲0.6%)を大きく上回った。
 
自動車が前月比6.6%の高い伸びとなるなど、15業種中10業種が上昇した。
 
製造工業生産予測指数は、25年11月が前月比▲1.2%、12月が同▲2.0%と2ヵ月連続のマイナスで、弱めの生産計画となっている。
 
自動車については、米国の関税率が27.5%から15%に引き下げられたことは明るい材料だが、半導体の供給制約という新たな下押し要因が浮上してきた。鉱工業生産は先行きも一進一退で推移することが予想される。

■目次

1.10月の生産は事前予想を大きく上回る
2.生産は先行きも一進一退が続く公算
 

1.10月の生産は事前予想を大きく上回る

1.10月の生産は事前予想を大きく上回る

鉱工業生産・出荷・在庫指数の推移 経済産業省が11月28日に公表した鉱工業指数によると、25年10月の鉱工業生産指数は前月比1.4%(9月:同2.6%)と2ヵ月で上昇し、事前の市場予想(QUICK集計:前月比▲0.6%、当社予想も同▲0.6%)を大きく上回る結果となった。出荷指数は前月比1.3%と3ヵ月連続の上昇、在庫指数は前月比0.6%と2ヵ月連続の上昇となった。

10月の生産を業種別に見ると、電子部品・デバイスは前月比▲6.7%と大きく落ち込んだが、米国の関税率が27.5%から15%に引き下げられた自動車が前月比6.6%の高い伸びとなるなど、15業種中10業種が前月比でプラスとなった。

財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は25年7-9月期の▲3.6%の後、10月は前月比▲2.3%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は25年7-9月期の前期比▲4.0%の後、10月は前月比0.7%となった。

25年7-9月期のGDP統計の設備投資は前期比1.0%と4四半期連続で増加し、4-6月期の同0.8%から伸びを高めた。高水準の企業収益を背景に設備投資は回復が続いている。
財別の出荷動向 消費財出荷指数は25年7-9月期の前期比▲2.6%の後、10月は前月比3.3%となった。耐久消費財が前月比4.2%(7-9月期:前期比▲5.1%)、非耐久消費財が前月比0.6%(7-9月期:前期比2.0%)であった。

25年7-9月期のGDP統計の民間消費は前期比0.1%と4-6月期の同0.4%から伸びが鈍化した。民間消費は24年4-6月期から6四半期連続で増加しているが、その水準はコロナ禍前(19年平均)とほぼ同程度にとどまっている。消費の回復ペースは依然として力強さに欠けるものとなっている。

2.生産は先行きも一進一退が続く公算

2.生産は先行きも一進一退が続く公算

製造工業生産予測指数は、25年11月が前月比▲1.2%、12月が同▲2.0%となった。生産計画の修正状況を示す実現率(10月)、予測修正率(11月)はそれぞれ▲1.7%、▲2.0%であった。予測指数が2ヵ月連続のマイナスとなったのは、24年11月調査以来1年ぶりで、弱めの生産計画といえる。

予測指数を業種別にみると、10月に前月比7.4%の高い伸びとなった輸送機械は11月が前月比▲5.2%、12月が同▲5.4%と2ヵ月連続の大幅減産計画となっている。自動車生産は8月からの3ヵ月で10%以上増加したが、先行きについては半導体の供給制約などによって再び落ち込むことが懸念される。また、電子部品・デバイスの生産計画は11月が前月比0.8%、12月が同▲5.4%となっているが、10月の実現率は▲10.5%の大幅マイナスとなっており、実際の生産は下振れる公算が大きい。
最近の実現率、予測修正率の推移/輸送機械の生産、在庫動向
25年10月の生産指数を11、12月の予測指数で先延ばしすると、10-12月期は前期比1.1%となるが、実際の生産の伸びは計画を大きく下回る傾向がある。輸送機械、電子部品・デバイスを中心に下振れ幅が大きくなる可能性があることを踏まえると、10-12月期の生産は前期比横ばい圏にとどまることが見込まれる。

自動車については、米国の関税率が27.5%から15%に引き下げられたことは明るい材料だが、半導体の供給制約という新たな下押し要因が浮上してきた。鉱工業生産は先行きも一進一退で推移することが予想される。

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(2025年11月28日「経済・金融フラッシュ」)

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