2021年06月01日

高齢者の移動支援に何が必要か(下)~各移動サービスの役割分担と、コミュニティの変化に合わせた対応を~

生活研究部 准主任研究員・ジェロントロジー推進室兼任 坊 美生子

保険研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 三原 岳

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4|今後の課題
(1)各移動サービスの役割分担による地域交通ネットワーク全体の利便性と持続性確保
まず、既存の公共交通との調整である。どの市町村も新たな移動サービスを導入しようとする時、既存の公共交通の運行エリアや時間帯と重複すると、乗客の奪い合いとなり、公共交通の撤退や縮小を招く危険性に直面する。このため、既存の公共交通体系と新たな移動サービスとの役割分担が欠かせない。この点で見ると、丹波市の場合、乗合タクシーと従来の鉄道や路線バスとの役割分担を明確に位置付け、すべての移動サービスのバランスを保ちながら運行し、全体として利便性と持続性が向上することを目指している。

例えば2012年度には、市議会から、乗合タクシーの総合病院への直通運行を求める提言が出されたが、同協議会は、運行範囲が拡大すると「1時間おき運行」が維持できなくなり、結果的に路線バスとの乗り継ぎが悪化して全体の利便性が低下するなどとして、拒否する報告書を市に提出している。2019年には、兵庫県立丹波医療センター開業に伴い、再び乗合タクシーの運行地域拡大に関する要望が出され、同協議会は改めて、公共交通システムのあり方を検証した。また、現職の林時彦市長が2020年11月に初当選した際、乗合タクシーの県立医療センターへの直行を公約に掲げたほか12、最近でも改めて県立医療センターへの直行運行が可能かどうか同協議会で検討する動き13が出ているなど、対象地域や運行頻度の見直しを求める動きがたびたび起きている。

これらの要望に対し、同協議会が2021年1月に林市長に提出した「公共交通システムのあり方に関する検証」の中で、各移動サービスの役割分担について明確に記述しているため、やや長くなるが、一部を以下に抜粋する。まず、「地域内での移動の役割を担う『デマンドタクシー』と、主に地域間を結ぶ基幹交通の役割を担う『鉄道』と『路線バス』、そして利用者の多様なニーズに柔軟に対応できる『普通タクシー』や移動困難者を支援する『福祉交通』などが、それぞれの役割を分担し連携することで、市民の日常生活における移動を支えてい」るとしている。その上で、下記のように記している。
 
本市における公共交通システムについては、それぞれの公共交通の役割を認識したうえで、そのバランスを考慮しながら、全体最適による維持・発展を目指すこととしています。そのことによって、公共交通システムとして継続的な運行が確保され、本市の交通弱者の移動サービスとしてだけでなく、来丹者の移動手段として、また環境負荷の軽減への貢献など多様な役割を担う公共交通サービスを将来にわたって持続させることで、住み慣れた地域で暮らし続けることができるまちづくりを支えることを、本市における公共交通システムの基本的な考え方とする

つまり、乗合タクシーだけの利便性を高めると、乗り継ぎや他の移動サービスのサービス低下につながり、結果的に、公共交通全体を持続できなくなる、という考え方を示している。

また協議会は、普通タクシーについても、公共交通ネットワークの一機能として目配りしている。乗合タクシーの運行業務を担っているのはタクシー会社であるため、普通タクシーの売上が激減してタクシー事業者が存続できなくなれば、乗合タクシーも存続できなくなる。同市は、今後も公共交通全体の利用促進が必要だとしており、既存の公共交通との役割分担や棲み分けを重視することで、各移動サービスの利便性や乗り継ぎ環境の向上を図るとしている。
 
12 朝日新聞(2020年11月17日)
13 神戸新聞(2021年3月27日)によると、3月25日の丹波市地域公共交通活性化協議会で、事務局から要望があり、改めて、乗合タクシーの県立丹波医療センターへの直行運行が可能かどうか等について検討することを決めた。
(2)一層の高齢化による利用者の属性変化に合わせた対応
導入から約10年を経て、もともと高齢者を主な対象と想定して制度設計されたデマンドタクシーも、さらに利用者の高齢化が進み、市が対応を始めている。

一点目は、利用者の数の変化である。上述のように、高齢化によって、利用回数が多かった初期の利用者が死亡したり、介護施設に入所したりして、延べ利用者数が減少している。過去10年の実績では、乗合タクシーの利用は70歳代以降で利用割合が増えることから、同市は今後の利用促進策として、70歳代への啓発を挙げている。

二点目は、利用者の属性の変化である。乗合タクシーの利用者のうち、介助者の数が、従前は年間50~60人程度であったが、2016年、2017年には100人を超えたことである14。加齢により身体特性が衰え、一人で外出することが次第に難しくなってきた人が増えたと考えられる。また、認知症の人による利用があることも報告されている15。さらにケアマネージャーや民生委員等から、乗合タクシーを利用できていない高齢者がいるということが報告されたという16。要するに、高齢化により、従来の乗合タクシーの送迎サービスの範囲では対応しきれない高齢者が増えてきたのである。

一方で、同市では、福祉部局でも高齢者向けの外出支援事業などを行っており、これらと整理する必要が生じていた。福祉部局では、主に70歳以上の高齢者の外出支援事業として、福祉タクシー券(要介護者には年14,880円、介護認定のない人には年7,200円)と福祉バス券(要介護者には年16,360円、介護認定のない人には年7,920円)を配布していた17。その他、要介護3以上の人や障がい者らを対象に、社会福祉協議会による無料の福祉送迎サービス「おでかけサポート」を実施していた。結果的に、介護認定を受けていない高齢者の中には、交通部局による乗合タクシーと福祉部局の外出支援という、両事業の主要対象となっている人がおり、年度末になると、元気な高齢者が福祉タクシー券を消化するために普通タクシーを利用し、乗合タクシーの利用が減る、という状況が起きていたという18

そこで、両部局の交通に関する事業を整理し、高齢者に対する移動支援のあり方を検討するため、2019年度から、同協議会が兼ねる「丹波市地域公共交通会議」の作業部会として福祉交通部会を設置した19。議論の結果、2021年度以降の移動支援の方向性として「元気な高齢者は交通部局の乗合タクシー、要介護度の高い高齢者等は福祉部局の送迎サポート」と棲み分けを決めた。具体的には、要介護1以下と介護認定の無い高齢者には、乗合タクシーの利用を促すため、2021年度に限って、年3,000円分の乗合タクシー利用券を配布することとした。要介護2以上の高齢者等は福祉送迎サービス「新おでかけサポート」の対象とした。ただし新制度では、本人は1回500円で有料とし、介助者は原則1人まで無料で同乗できることとした20。運転業務はタクシー事業者に委託し、メーター金額との差額を市が負担する仕組みである。従来の福祉タクシー券は廃止し、福祉バス券は要介護1以下と介護認定のない高齢者に限り、年3,000円分を配布することにした。

こうした対応に見られる通り、丹波市では一層の高齢化による利用者の属性変化に対応するため、乗合タクシーの利用状況を改めて見直すとともに、他部局の施策とも整合性を図り、高齢者への移動支援として過不足が無いように調整している。人口・世帯の減少や高齢化の加速、交通事業者の経営状態など、地域公共交通を巡る状況は毎年、変わる可能性がある以上、変化に応じて柔軟に施策を見直すことは欠かせない。実際、福祉交通部会は、今後も高齢者や障害者を対象とした交通施策について議論し、同協議会で議論する形を取っている。
 
14 丹波市地域公共交通活性化協議会平成30年第1回議事録
15 丹波市地域公共交通活性化協議会平成30年第3回議事録
16 丹波市地域公共交通活性化協議会令和元年第1回議事録
17 助成には所得要件などがある。
18 丹波市地域公共交通活性化協議会令和2年第2回資料
19 丹波市地域公共交通活性化協議会は地域公共交通の活性化及び再生に関する法律、丹波市地域公共交通会議は道路運送法に基づいて設置されている。
20 制度改正後3年間は、1回の利用料を300円とし、通院利用の場合も300円とするなど、激変緩和措置を設けている。
 

3――地域の好事例(2)

3――地域の好事例(2)神奈川県秦野市のボランティア送迎

1市の概要
神奈川県秦野市は、神奈川県央の西部に位置し、典型的な盆地である。2021年1月現在の人口は160,415人で、県内の市町村のうち12位であり、面積は103.8㎢で6位である(図表6)21

市が2021年3月に策定した「第8期秦野市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」(2021年度~2023年度)によると、人口は減少傾向にある一方、65歳以上の高齢者人口は増加している。高齢者人口のうち、高齢化率は2020年度に3割を超え、2040年度には4割に達する見込みである。2020年度時点では、前期高齢者が後期高齢者の数を上回っているが、2022年度に逆転すると予測されている。前期高齢者は2021年度からいったん減少するが、後期高齢者は2030年度頃まで増加し続けるとみられる。

同市が2019年度に行った調査によると、高齢者の家族構成は、「本人、配偶者ともに65歳以上の夫婦2人暮らし」が39.9%、「1人暮らし」が15.4%で、高齢者のみの世帯が5 割を超えている22。高齢者世帯の数は今後さらに増加していくと予想されている。財政規模は、2021年度一般会計当初予算で524 億円となっている23

市内の公共交通ネットワークについて見ると、鉄道では小田急小田原線が東西に運行し、市内に4駅あり、各駅を発着する路線バスが運行している。また、一部の交通不便地域等で、路線固定型とデマンド式の乗合タクシーも運行している24
図表6 秦野市の概要
 
21 神奈川県HP「令和2年度 市町村要覧」https://www.pref.kanagawa.jp/docs/v2x/cnt/f6833/02youran.html
22「第8期秦野市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」
23 「令和 3年度(2021年度)当初予算案の概要」
24 秦野市公共交通マップ、秦野市HP(https://www.city.hadano.kanagawa.jp/www/contents/1001000000467/index.html
2|新たな移動手段の概要と導入経緯
秦野市では、2018年12月以降、市内2地区で住民による高齢者のボランティア送迎が始まった。これを後押ししているのが、市が2016年度から始めた「地域支え合い型認定ドライバー養成研修」である。福祉部高齢介護課が担当している。以下、秦野市の資料とヒアリング結果を基に説明する25

同市の地形は、盆地で山や坂が多く、2015年頃から、市長が開く自治会との懇談会で、高齢者から「年を取ってバス停まで歩くのが大変になってきた」「買い物した荷物が重くて、持って歩けない」などの声が上がるようになった。各地域では、個人的に近所のお年寄りをマイカーで買い物まで送迎している住民もいたことから、より安全安心に送迎できる仕組みを整え、同時に送迎ボランティアを増やそうと、高齢介護課がドライバー養成研修を始めた。

その際に活用したのが、自家用有償旅客運送の研修制度である。これは、2種免許を取得していなくても、ドライバーが大臣認定講習を受ければ、マイカーを使って有償で人を運べるようにする制度で、2006年度に創設された。秦野市の研修は計3日間とし、自家用有償旅客運送の大臣認定講習の内容である座学や実技を2日間で学び、3日目は市独自のメニューとして、ボランティア送迎について他市町村の事例紹介やグループワークなどを行っている。研修事業の予算は年50万円である。

そのような中、広域自治会連合会である西地区から、高齢者の買い物支援に関する要望が出されたた。そこで市は西地区と協議を進め、加盟する18自治会にアンケートを全戸配布した。移動販売や宅配支援を希望する声もあったが、収支面などでハードルが高いため、住民ボランティアによる買い物への送迎をすることを決め、西地区の中の栃窪地区での試行を決めた。栃窪地区は96世帯、高齢化率50%である。栃窪地区で再びアンケートを実施すると、送迎の利用希望者が11人、ボランティアをしても良いと回答した人が7人いたため、希望の行先や曜日、時間などを聴いて、店舗に駐車場を使用させてもらえるように調整。ボランティアドライバーには、市の認定ドライバー養成研修を受けてもらい、市の空いていた公用車を貸し出して、3か月間試行した。

その後、近隣の社会福祉法人に実施主体を引き継いでもらうように打診したところ、「地域における公益的な取り組みになる」として承諾を得られたため、法人と栃窪地区、市の3者で、買物支援事業の協定を締結した。法人は事業統括、栃窪地区は運転や利用者との連絡、市はボランティア育成や連絡調整などを担当している。

この取り組みは「とちくぼ買い物クラブ」と名付けられ、毎週水曜日の午前10時から正午、法人のワゴン車を用いて実施している。燃料費や保険料などは同法人が負担し、市は一般介護予防事業費から約4万円を補助している。取り組みの成果として、これまで交流がなかった高齢者同士、またドライバーとの交流が生まれて地域コミュニケーションが活発化したり、従来はあまり外出していなかった高齢者が毎週、買い物で外出するようになったりと、介護予防につながっているという。

もう一か所は、ドライバー認定研修をきっかけに、大根・鶴巻地区で始まったボランティア送迎である。研修の修了者らが「地域の役に立ちたい」と意気投合し、自発的にボランティア団体「お助けけ隊」を作って2020年2月から買い物と通院への送迎を始めている。対象は70歳以上で公共交通機関の利用は身体的負担が大きい人、としている。利用者は実費として1回100円と駐車料を負担する。車両はドライバーのマイカーを使用している。県が、2019年度から3年間、外出支援モデル事業として保険料等を補助している。

市は、この活動が始まるまでの過程で、立ち上げをサポートした。修了者から「送迎ボランティア活動をしたい」という申し出を受けて、地域の状況をより広く把握するために、地域資源の発掘などを担う「生活支援コーディネーター」を交えて地域ケア会議を開催。移動に困っている高齢者らの実例について情報共有し、具体的な支援方法について話し合った。生活支援コーディネーターは、活動開始後も、お助け隊の月1回の定例会に出席して利用状況等について情報共有したり、お助け隊の活動についてのチラシを作成したりして、運営に協力している。市の包括支援センターも、介護サービス利用者らに送迎の案内をしたり、お助け隊に利用者を紹介したりしている。
 
25 ヒアリングは2021年4月8日、オンラインで実施。
3|計画と運用におけるポイント
(1)福祉部局の視点とノウハウを生かす
秦野市の取り組みのポイントを3点説明したい。1点目は、交通部局ではなく、福祉部局の高齢介護課が担当していることである。2点目は、ドライバー養成という事業を通じて、地域住民にボランティア送迎活動を開始したり、参加したりする仕掛けを作っていることである。3点目は、同時期に始めた介護保険の移動支援サービスが、担当部局の意識の醸成につながったことである。

まず、1点目である。この取り組みにおいては、福祉部局が得意とする「(1)人への支援」「(2)地域課題の把握」「(3)人材ネットワークの活用」等の視点とノウハウを、フルに発揮している。(1)については、移動に困っている高齢者を支援するために、研修を開催することにより、住民ボランティアなど「支援する側の人」を育成している。(2については、研修の修了者らが聞いてきた「高齢者が買い物に困っている」という話を、単に「個人の問題」として終わらせるのではなく、地域ケア会議などの場を通じて、地域に共通した課題であるかどうかを見極めていることである。その上で、行政として課題解決に取り組む姿勢を示している。(3については、市が仲介役となって生活支援コーディネーターや地域包括支援センターという福祉の資源や人材に呼びかけ、ボランティア活動立ち上げに協力してもらっている。
(2)ドライバー養成研修を通じたボランティア送迎の仕掛け作り
次に、2点目の研修について説明したい。住民ボランティアによる送迎は、市が実施を依頼できるものではなく、住民自身の発意と行動が重要となる。そこで、認定ドライバー養成研修という形で、送迎ボランティアへの関心を引き出すとともに、修了後に実際に活動を開始できるようフォローアップするなど、住民主体の活動が生まれる仕掛けを講じている。

研修は、市は2016年度から毎年2回実施し、2020年度までに計223人が受講した。市が受講者にアンケートを実施したところ、2019年までの受講者計185人のうち115人が「運転ボランティアとして協力をしても良い」と回答したという。そこで、修了者が実際に活動に取り掛かりやすいようにボランティア送迎に関する準備講座を開いているほか、就職希望者には、ドライバーを募集する事業所とマッチングを行う「就職説明・意見交換会」も実施している。実際に、修了者が介護事業所に雇用されたり、福祉有償運送のドライバーになったりしたケースもあるという。

市の受講者募集方法もユニークである。65歳に到達した住民に送付する介護保険証に同封するチラシに研修の案内を掲載することで、退職を迎えて「何かしたいけど、何をしたらよいか分からない」という人に対し、送迎活動への関心を持ってもらえるように工夫している。
(3)介護保険事業で生まれた移動支援施策の土壌
次に、3点目の介護保険事業との関わりについて説明したい。従来、秦野市で交通施策を担ってきた部署は交通部局であり、高齢介護課には馴染みのない領域だった。ヒアリングによると、そのような高齢介護課がボランティア送迎のサポートをするようになった背景の一つが、2016年度から始めた介護保険による移動支援サービスである。

国の介護保険制度改正に伴い、2015年度以降、市町村が「介護予防・日常生活支援総合事業」の中で、移動支援サービスを行えるようになった。介護保険の分類では「訪問型サービスD」と呼ばれるものである。秦野市でも2016年度から、訪問型サービスDとして、軽度な要支援者を対象に、デイサービス施設までの送迎の補助事業を始めた26。利用料は無料である。実際に運行しているのは市内のNPO法人など3団体で、いずれも自前のワゴン車などを用いて、利用者からの予約受付や運行ルートの調整、運転業務を行っている。市は介護保険財源から、コーディネーター人件費や通信費などを補助している。2021年度の事業予算は計約400万円である。

同市が訪問型サービスDを導入したきっかけは、以下の通りである。同市では従来、デイサービス利用者の送迎をシルバー人材センターに委託していたが、交通事故が相次いだため、タクシー会社に委託先を変更した。しかし、今度は委託費が増加し、デイサービスのサービス内容を圧縮しなければならなくなった。そこで、国が導入予定だった訪問型サービスDに着目。従来から市内で障害者らを対象に福祉有償運送を行っていたNPO法人と、介護事業所に対し、デイサービス利用者の送迎を引き受けてもらえるか打診し、承諾を得たという。

訪問型サービスDは、利用できる人や送迎目的が特定された限定的なサービスだが、高齢介護課では、これに取り組むことによって、「高齢者の移動支援も自分たちの仕事」という意識を持つようになったという。そしてちょうど同じ時期に、上述したように、市長懇談会等を通じて高齢者が買い物へ行くにも困っているという声を聴いたことから、認定ドライバー養成研修を始めたという。

これらの取り組みを通じて、秦野市では、高齢介護課と、交通施策を担当する交通住宅課との間で綿密に連携するようになり、市の公共交通会議に高齢介護課の職員がオブザーバー参加してボランティア送迎について報告したり、医療・介護の専門職が集まる地域ケア会議に交通住宅課の職員が出席して公共交通に関する講演をしたりしているという。現在、高齢介護課の移動支援施策はボランティア送迎に主軸が移り、既に介護保険の枠を超えた広がりを見せているが、福祉部局に当事者意識を醸成し、交通部局と連携が取るようになったきっかけとして、訪問型サービスDが果たした役割は大きかったと言えるだろう。
 
26 ただし、各利用者のケアプランにデイサービスのへの送迎が盛り込まれていることが条件である。
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保険研究部

三原 岳 (みはら たかし)

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