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「東京都心部Aクラスビル市場」の現況と見通し(2020年)
金融研究部 主任研究員 吉田 資
1. はじめに
1 本稿ではAクラスビルとして三幸エステートの定義を用いる。三幸エステートでは、エリア(都心5区主要オフィス地区とその他オフィス集積地域)から延床面積(1万坪以上)、基準階床面積(300坪以上)、築年数(15年以内)および設備などのガイドラインを満たすビルからAクラスビルを選定している。また、基準階床面積が200坪以上でAクラスビル以外のビルなどからガイドラインに従いBクラスビルを、同100坪以上200坪未満のビルからCクラスビルを設定している。詳細は三幸エステート「オフィスレントデータ2020」を参照のこと。なお、オフィスレント・インデックスは月坪当りの共益費を除く成約賃料。
2. 東京都心Aクラスオフィス市場の現況
2 三幸エステートとニッセイ基礎研究所が共同で開発した成約賃料に基づくオフィスマーケット指標。
3 賃料サイクルとは、縦軸に賃料、横軸に空室率をプロットした循環図。通常、(1)空室率低下・賃料上昇→(2)空室率上昇・賃料上昇→(3)空室率上昇・賃料下落→(4)空室率低下・賃料下落、と時計周りに動く。
旺盛なオフィス需要が新規供給を上回り、東京都心部Aクラスビルの空室率は過去最低水準まで低下した。こうした旺盛なオフィス需要を支えている要因として、(1)ITやプロフェッショナルサービスを中心としたオフィスワーカー数の増加、(2)働き方改革に後押しされたオフィス環境の改善に対する意識の高まり、(3)市場拡大が続くサードプレイスオフィスが挙げられる。
4 従業地による職業別就業者のうち、専門的・技術的職業従事者、管理的職業従事者、事務従事者の合計。
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