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インドの生命保険会社の状況-2018年度の決算数値を踏まえての成長性・効率性・収益性・健全性等の動向-
中村 亮一
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1―はじめに
生命保険会社各社は、Public Disclosureとして、四半期毎に決算数値の公表を行っている。また、インドの保険監督当局であるIRDAI(Insurance Regulatory and Development Authority of India)は、毎年12月から翌年の1月にかけて、Annual Reportを作成して、前年度の決算に基づく業界全体の数値等を報告している。
このレポートでは、LICと民間の外資系生命保険会社の5社について、2018年度決算ベースの各社のPublic Disclosures資料の数値に基づいて、その成長性・効率性・収益性・健全性等の状況について報告する。なお、現段階においては、IRDAIの2018年度のAnnual Reportは未公表のため、業界全体の最新数値は2017年度となっている。
1 基礎研レター「インドの生命保険市場(1)~(6)」(2015.11 30~2016.1.18)、基礎研レポート「インドの生命保険会社の状況-2016年度の決算数値を踏まえての成長性・効率性・収益性・健全性等の動向-」(2019.3.11) 等
2―収入保険料の状況
3―経営効率の状況
保険契約の13月目と25月目の継続率(年換算保険料ベース)の過去5年間の推移は、以下の図表の通りである。継続率は、商品・販売チャネル等によっても、大きく異なるが、これらの合計数値として、各社の数値が示されている。なお、各社の算出ベースは必ずしも統一されているとは限らないので、会社間で水準を比較する場合には注意が必要となる。
各社とも13月目継続率は77%以上となっており、Bajaj Allianzを除けば25月目継続率も71%以上となっている。なお、Bajaj Allianzの25月目継続率は、他社に比べてかなり低い水準であったが、ここ2年間は水準を大きく改善させてきている。
各社とも、継続率の改善は大きな課題であり、監督当局であるIRDAIも注視している。基本的には、各社とも着実に水準の向上を図ってきている状況がみてとれる。
4―収益性の状況
5―健全性等の状況
インドの生命保険会社の責任準備金の計算基礎については、全社統一の計算基礎率が定められているわけではない。毎年度末決算において、それぞれの会社の状況を踏まえて決定されるため、各社毎に異なっている。ロック・フリー方式2で定められるため、契約毎に毎年の計算基礎率が変化することにもなる。以下では、代表的な計算基礎である、予定利率と予定死亡率の状況について、報告する。
2 責任準備金評価において用いる計算基礎について、契約時に使用したものを固定(ロック・イン)するのではなく、評価時毎にその時々に適正と考えられる計算基礎等で評価する方式
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