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- 気になる訪日外国人客数の伸び悩み-訪日主要国の需要が一巡した可能性はないか
2019年09月24日
1――はじめに
訪日外国人客(訪日客)を対象とする観光業はこれからも持続的成長が期待される分野の1つである。しかし、最近の訪日客数全体の伸び率には減速傾向が見られる。これまで増加を牽引してきた国において訪日需要が一巡してしまっている可能性はないだろうか。
2――2018年までの訪日外国人客数の動向
訪日外国人客(訪日客)を対象とする観光業はこれからも持続的成長が期待される分野の1つである。2018年の訪日客数は3,119万人となり、2012年以降、着実に増加している。不動産市場においてもインバウンド需要の影響力が強まっており、訪日客に人気の高い心斎橋(大阪)やニセコ(北海道)、富士山麓(山梨、静岡)などの土地価格は大きく上昇している。
もっとも、訪日客数全体の伸び率は減速傾向がみられ、やや気になるところだ。2017年までは前年比2ケタの伸びを示していたものの、昨年は8.7%、今年(1~8月)は3.9%に低下し、8月単月は11ケ月ぶりにマイナスとなった(図表-1)。もちろん、昨年は日本で頻発した自然災害の影響、今年は日韓関係の冷え込みの影響が大きいと思われる。しかし、2011年から2018年の7年間で訪日客が5倍に膨らむなか、これまで増加を牽引してきた国において訪日需要が一巡してしまっている可能性はないだろうか。
もっとも、訪日客数全体の伸び率は減速傾向がみられ、やや気になるところだ。2017年までは前年比2ケタの伸びを示していたものの、昨年は8.7%、今年(1~8月)は3.9%に低下し、8月単月は11ケ月ぶりにマイナスとなった(図表-1)。もちろん、昨年は日本で頻発した自然災害の影響、今年は日韓関係の冷え込みの影響が大きいと思われる。しかし、2011年から2018年の7年間で訪日客が5倍に膨らむなか、これまで増加を牽引してきた国において訪日需要が一巡してしまっている可能性はないだろうか。
3――アジア4カ国における訪日外国人客数の動向
4――アジア4カ国の初回訪日客数が全体に占める割合
5――アジア4カ国の初回訪日客数の人口比
6――上位5-15位の国籍・地域の初回訪日客数の人口比
7――おわりに
足元では日韓関係の冷え込みがインバウンド需要の先行きに影を落としている。しかし、これまでも観光業は対外的な政治問題や災害による影響を受け続けてきた産業である。そうした中においても、ビザ条件の緩和や日本固有文化を伝える訪日プロモーションなど官民一体となった取り組みによって、訪日外国人客数は増加してきた。オリンピックの年でもある2020年には年間4,000万人という政府目標の達成も視野に入り、2030年には訪日外国客数6,000万人という目標も控えている。今後とも需要層のニーズをきめ細かく汲み取ることで、さらなる増加に向けた努力が求められる。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経歴
- 【職歴】
2000年 東海銀行(現三菱UFJ銀行)入行
2006年 総合不動産会社に入社
2018年5月より現職
・不動産鑑定士
・宅地建物取引士
・不動産証券化協会認定マスター
・日本証券アナリスト協会検定会員
・2022年、2023年 兵庫県都市計画審議会専門委員
(2019年09月24日「基礎研レター」)
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