2018年12月17日

創薬の難しさ-世界で1年間に開発される医薬品の数はどれくらいか?

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也

文字サイズ

■要旨

現在、世界中の医薬品メーカーで、さまざまな医薬品の開発が進められている。

しかし、医薬品の開発は、簡単ではない。医薬品メーカーは、多額の研究開発費を投じて創薬に取り組んでいるが、その成功が保証されているわけではない。

なぜ、創薬は難しいのだろうか。本稿では、その理由について、みていくこととしたい。

■目次

1――はじめに
2――新薬と製薬企業の数
3――医薬品とタンパク質
4――医薬品の条件の厳しさ
  1|医薬品は体内で運搬されるために水溶性が必要
  2|経口投与される医薬品は胃酸や各種消化酵素による分解に耐えなくてはならない
  3|医薬品は肝臓であまり代謝を受けないことが必要
  4|細胞内に入って細胞内受容体に結合する医薬品は、細胞膜を通過しなくては
    ならない
  5|脳神経中枢に作用する医薬品は、血液脳関門を通過しなくてはならない
  6|医薬品は、ターゲットのタンパク質に正しく結合しなくてはならない
  7|医薬品は、血液内で一定の濃度で安定的にとどまることが必要
  8|複数の医薬品を投与すると、相互作用が生じることがある
5――医薬品の条件のジレンマ
  1|医薬品の条件には相反するものがある
  2|医薬品の条件をまとめた経験則がある
6――創薬における新技術
  1|プロドラッグ : 体内で代謝を受けて医薬品に変わる
  2|SBDD : タンパク質の構造にあわせて医薬品を設計
  3|コンビケム : 創薬の詰めの段階で網羅的に化合物を合成
7――おわりに (私見)
Xでシェアする Facebookでシェアする

保険研究部   主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴
  • 【職歴】
     1992年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所へ

    【加入団体等】
     ・日本アクチュアリー会 正会員

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【創薬の難しさ-世界で1年間に開発される医薬品の数はどれくらいか?】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

創薬の難しさ-世界で1年間に開発される医薬品の数はどれくらいか?のレポート Topへ