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- 日銀短観(3月調査)~大企業製造業の景況感は8四半期ぶりに悪化、先行きへの警戒も根強い
2018年04月02日
5.設備投資・雇用:人手不足感さらに強まる、18年度設備投資計画は強め
生産・営業用設備判断D.I.(「過剰」-「不足」)は全規模全産業で前回から横ばいの▲5となった。堅調な内外需要を反映して、「不足」超過が続いている。また、雇用人員判断D.I.(「過剰」-「不足」)は▲34と前回から2ポイント低下し、不足感が強まっている。堅調な内外需要に加え、少子高齢化の影響が出ていると考えられる。
上記の結果、需給ギャップの代理変数とされる「短観加重平均D.I.」(設備・雇用の各D.I. を加重平均して算出)は前回から1.3ポイント低下し(▲22.0ポイント→▲23.3ポイント)、マイナス(不足超過)の幅が拡大している。
特に雇用人員判断D.I.は1991年11月調査以来のマイナス幅となっており、人手不足感が極めて強い状況が続いている。内訳を見ると、これまで同様、製造業(全規模で▲28)よりも、労働集約型産業が多い非製造業(全規模で▲38)で人手不足感が強い。また、企業規模別で見ると、人材調達力や収益力・賃金水準の違いが反映されているとみられるが、中小企業が▲37と大企業の▲22を大きく下回っている。
人手不足は製造業・非製造業や企業規模を問わず幅広く共有されているが、特に中小企業において深刻な経営課題になっていることは疑いがない。
先行きの見通し(全規模全産業)は、設備判断D.I.、雇用判断D.I.ともに現状比横ばいが見込まれており、両者を反映した「短観加重平均D.I.」も横ばいとなる見込み。先行きにかけても、設備の不足感、人手の大幅な不足感は緩和しないとの見込みが示されている(図表9,10)。
上記の結果、需給ギャップの代理変数とされる「短観加重平均D.I.」(設備・雇用の各D.I. を加重平均して算出)は前回から1.3ポイント低下し(▲22.0ポイント→▲23.3ポイント)、マイナス(不足超過)の幅が拡大している。
特に雇用人員判断D.I.は1991年11月調査以来のマイナス幅となっており、人手不足感が極めて強い状況が続いている。内訳を見ると、これまで同様、製造業(全規模で▲28)よりも、労働集約型産業が多い非製造業(全規模で▲38)で人手不足感が強い。また、企業規模別で見ると、人材調達力や収益力・賃金水準の違いが反映されているとみられるが、中小企業が▲37と大企業の▲22を大きく下回っている。
人手不足は製造業・非製造業や企業規模を問わず幅広く共有されているが、特に中小企業において深刻な経営課題になっていることは疑いがない。
先行きの見通し(全規模全産業)は、設備判断D.I.、雇用判断D.I.ともに現状比横ばいが見込まれており、両者を反映した「短観加重平均D.I.」も横ばいとなる見込み。先行きにかけても、設備の不足感、人手の大幅な不足感は緩和しないとの見込みが示されている(図表9,10)。
2017年度の設備投資計画(全規模全産業)は、前年比4.0%増と前回調査時点(4.4%増)から小幅に下方修正された。
一方、今回から新たに調査・公表された2018年度の設備投資計画(全規模全産業)は、2017年度計画比で0.7%減となった。例年3月調査の段階ではまだ計画が固まっていないことから前年割れでスタートする傾向が極めて強いため、マイナス自体に意味はなく、近年の3月調査との比較が重要になる。今回の前年度比0.7%減という水準は近年同時期の調査を上回り、3月調査としては2007年度以来の高水準となる。
円高や米保護主義の動きへの警戒感はあるものの、足元の良好な企業収益や人手不足に伴う省力化需要などが追い風となり、強めの計画に繋がったとみられる。
ただし、今後、為替がさらに円高に向かったり、米保護主義の動きがさらに強まって、世界経済に悪影響を及ぼしたりすれば、設備投資計画が慎重化する恐れがある。
なお、17年度計画(全規模全産業で4.0%増)は事前の市場予想(QUICK 集計5.0%増、当社予想は4.4%増)をやや下回る結果であった。一方、18年度計画(全規模全産業で0.7%減)は事前の市場予想(QUICK 集計4.3%減、当社予想は5.0%減)を大幅に上回る結果であった。
一方、今回から新たに調査・公表された2018年度の設備投資計画(全規模全産業)は、2017年度計画比で0.7%減となった。例年3月調査の段階ではまだ計画が固まっていないことから前年割れでスタートする傾向が極めて強いため、マイナス自体に意味はなく、近年の3月調査との比較が重要になる。今回の前年度比0.7%減という水準は近年同時期の調査を上回り、3月調査としては2007年度以来の高水準となる。
円高や米保護主義の動きへの警戒感はあるものの、足元の良好な企業収益や人手不足に伴う省力化需要などが追い風となり、強めの計画に繋がったとみられる。
ただし、今後、為替がさらに円高に向かったり、米保護主義の動きがさらに強まって、世界経済に悪影響を及ぼしたりすれば、設備投資計画が慎重化する恐れがある。
なお、17年度計画(全規模全産業で4.0%増)は事前の市場予想(QUICK 集計5.0%増、当社予想は4.4%増)をやや下回る結果であった。一方、18年度計画(全規模全産業で0.7%減)は事前の市場予想(QUICK 集計4.3%減、当社予想は5.0%減)を大幅に上回る結果であった。
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
(2018年04月02日「Weekly エコノミスト・レター」)
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