2017年12月04日

米国財務省がノンバンクSIFIの指定プロセスに関する覚書を公表-ノンバンクSIFI指定プロセスの改善方法を勧告-

中村 亮一

文字サイズ

■要旨

米国におけるノンバンクSIFI(Systemically Important Financial Institution:システム上重要な金融機関)の指定に関わる問題に関しては、米国財務省において検討が進められていたが、まずは2017年10月26日に、資産運用管理及び保険業界の現行の規制枠組みを調査し、規制の枠組みが金融規制のための政府のコア原則と一致することを確実にするように勧告する報告書「経済的機会を創出する金融システム:資産運用管理と保険(A Financial System That Creates Economic Opportunities Asset Management and Insurance)」が公表された。この報告書の中では、システミックリスクに関して、「資産運用管理及び保険業界におけるシステミックリスクの活動ベースの評価を支援する。」と勧告された。この報告書の概要については、基礎研レポート「米国財務省が金融規制のための政府のコア原則に関する報告書を公表-保険業に関する勧告内容について-」(2017.11.27)で報告した。

今回、米国財務省は、この報告書も踏まえて、2017年11月17日に「FSOC(金融安定監督評議会)のノンバンク金融会社及び金融市場ユーティリティの指定プロセスに関する大統領への覚書」(以下、「大統領宛覚書」又は「覚書」という)を公表し、ノンバンクSIFIの指定プロセスを改善する方法を勧告した。

今回のレポートでは、このノンバンクSIFIの指定に関する大統領宛覚書の内容について報告する。

■目次

1―はじめに
2―今回の大統領宛覚書の概要
  1|今回の覚書の位置付け
  2|FSOCの指定プロセスによって達成されるべき政策目標
  3|ノンバンク金融会社の指定について
  4|金融市場ユーティリティ(FMU)の指定について
  5|財務省のプレスリリース資料
  6|ファクトシート
  7|覚書のエグゼクティブ・サマリー
3―ACLI(米国生命保険協会)の反応
4―まとめ
Xでシェアする Facebookでシェアする

中村 亮一

研究・専門分野

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【米国財務省がノンバンクSIFIの指定プロセスに関する覚書を公表-ノンバンクSIFI指定プロセスの改善方法を勧告-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

米国財務省がノンバンクSIFIの指定プロセスに関する覚書を公表-ノンバンクSIFI指定プロセスの改善方法を勧告-のレポート Topへ