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都区部でも「外国人を含む世帯」数の増加が続いている。2017年1月の「外国人を含む世帯」数は30万5千世帯で、都区部の総世帯数(499万7千世帯)の6.1%となった(図表-56)。「外国人を含む世帯」の増加率が一年間に8.9%に達する一方、日本人世帯数の増加が頭打ちとなっているため(日本人のみの世帯増加率は1.2%)、世帯の一年間の増加数に占める「外国人を含む世帯」が占める比率は上昇しており、2016年の一年間では30.5%と3割を上回った(図表-57)。
「外国人を含む世帯」の増加数が多い区は、新宿区、豊島区、板橋区、江戸川区などであり、8つの区で前年からの増加率が10%を上回っている(図表-58)。
豊島区では2016年の一年間に、日本人のみの世帯の増加数が+1,238世帯であったのに対し、「外国人を含む世帯」の増加数は+2,170世帯であり(外国人のみの世帯の増加数は+2,148世帯)、区全体の世帯増加数の63.7%を占めた。新宿区においても「外国人を含む世帯」の増加数は総増加数の59.9%を占めており、若年層を中心とした外国人の増加と、「外国人を含む世帯」の増加は、都区部住宅市場でも重要度が高まり始めていると思われる。
区ごとの外国人を含む世帯の世帯当たり人員数の違いは、居住する住宅の面積にも影響すると思われるため、外国人の住宅需要を考える上で重要と考えられる18。
そこで、2015年の国勢調査から、出身国籍・地域別に都区部における「外国人を含む世帯」の1世帯当たりの人員数を計算すると、世帯あたり人員数が多いのが、インド(2.24人)やイギリス(1.96人)、アメリカ(1.93人)、韓国・朝鮮(1.91人)などで、ベトナムやタイ、インドネシアは都区部の単独世帯比率が70%を上回り、1世帯あたりの人員数は1.4人を下回る数値であった。(図表-61)。
17 概算値としたのは、日本人と外国人の複数国籍世帯があるため。
18 区ごとの世帯当たり人員数の違いは、各区に居住する外国人の国籍・地域や年齢層、労働者か学生か、単身世帯か家族世帯か、世帯所得や家賃水準などのさまざまな要因が反映していると考えられる。
5――おわりに
実際、国立社会保障・人口問題研究所によると、2020年の日本の総人口は2017年と比べ▲121万人の減少、2025年には同▲399万人の減少、2030年には同▲741万人の減少と、今後の毎年の減少幅は拡大が続くと予測されている20。
本稿は最近の外国人人口と世帯数に関する基本的な情報をとりまとめたものであるが、今後の国内外国人人口の増加に対する基本知識として少しでも参考になればと考えている。
19 参考までに、近年、来日外国人による刑法犯検挙件数・検挙人員数は底ばいの状況にあるが、国籍別・地域別の人口が急増しているベトナム人による刑法犯罪が増加するなどの影響もみられる。警察庁「•来日外国人犯罪の検挙状況」によると、2015年の外国人の刑法犯検挙件数は9,417件で前年比▲2.6%の減少だったが、ベトナム国籍では+29.6%の増加で中国を上回り国籍等別で最多となった。なお、2016年上期はベトナムの検挙件数の構成比は下がり再び中国が上回ったという。
20 本年4月に公表された予測では、2015年10月から2016年10月までに総人口は▲25万7千人の減少とされているが、実際には、図表-6にあるように▲16万2千人の減少であった。この差異の理由のひとつに、外国人人口の急増があると思われる。予測の仮定条件として、外国人の入国超過数を過去からのトレンドに基づき、毎年7万人程度と設定しているが、実際には14万人ほどの増加があったと思われる(住民基本台帳に基づく人口によると、2016年の一年間の外国人の社会増減数は13万9千人の増加)。このように、外国人人口の増加は今後の国内人口の見通しにも大きな影響を与えると思われる。
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竹内 一雅
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(2017年07月18日「基礎研レポート」)
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