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日韓比較(12):医療保険制度-その5 混合診療―なぜ韓国は混合診療を導入したのか、日本へのインプリケーションは?―
生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中
2番目は差額室料の改善である。差額室料の改善作業の基本方向は、差額室料が適用されない一般病室を拡大し、患者の医療費負担を軽減させることである。差額室料とは、医療保険適用の範囲外で患者に請求される病室の費用のことである。差額室料の改善作業により、2014年9月以降一般病室の基準が6人部屋から4人部屋に拡大された。また、2015年9月から上級総合病院や総合病院における全病室に占める一般病室の割合を既存の50%から70%に拡大した。実際に、2013年における一般病室の割合は、病院が78%であることに比べて、上級総合病院(上位5大病院)は59%に過ぎない(図3)。さらに、差額室料は医療機関の規模が大きくなるほど高く設定されていた。例えば1人室の場合、病院が9.3万ウォン(日額)であることに比べて、上位5大病院は32.4万ウォン(日額)で約3.5倍の差もある(図4)。一般病室の空きがないのが原因で、仕方なく上級病室を利用している患者やその家族にとって、差額室料は大きな負担になっていたのに違いない。
13 総合病院給以上の医療機関を五つの領域にわたる37指標で評価し、その結果により病院別診療報酬を算定する。
生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任
金 明中 (きむ みょんじゅん)
研究・専門分野
高齢者雇用、不安定労働、働き方改革、貧困・格差、日韓社会政策比較、日韓経済比較、人的資源管理、基礎統計
03-3512-1825
- プロフィール
【職歴】
独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月から現職
・2011年~ 日本女子大学非常勤講師
・2015年~ 日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員
・2021年~ 横浜市立大学非常勤講師
・2021年~ 専修大学非常勤講師
・2021年~ 日本大学非常勤講師
・2022年~ 亜細亜大学都市創造学部特任准教授
・2022年~ 慶應義塾大学非常勤講師
・2024年~ 関東学院大学非常勤講師
・2019年 労働政策研究会議準備委員会準備委員
東アジア経済経営学会理事
・2021年 第36回韓日経済経営国際学術大会準備委員会準備委員
【加入団体等】
・日本経済学会
・日本労務学会
・社会政策学会
・日本労使関係研究協会
・東アジア経済経営学会
・現代韓国朝鮮学会
・韓国人事管理学会
・博士(慶應義塾大学、商学)
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