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- 消費者物価(全国15年4月)~コアCPI上昇率はゼロ%も、物価上昇品目数が下落品目数を大きく上回る
■見出し
・コアCPI上昇率(消費税の影響を除く)は再びゼロ%に
・物価上昇品目数が大幅に増加
・コアCPIは夏場にかけて下落も、マイナスの長期化は回避か
■要旨
総務省が5月29日に公表した消費者物価指数によると、15年4月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比0.3%(3月:同2.2%)となり、上昇率は前月から1.9ポイント縮小した。
3月から4月にかけてのコアCPI上昇率の低下▲1.9ポイントのうち▲1.7ポイントは消費増税の影響剥落によるものである。消費税の影響を除いたコアCPI上昇率は15年2月の前年比0.0%から3月には同0.2%のプラスになったが、4月には再び同0.0%となった。
消費者物価指数の調査対象524品目(生鮮食品を除く)を、前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、4月の上昇品目数は319品目(3月は286品目)、下落品目数は163品目(3月は191品目)となり、上昇品目数が前月よりも大幅に増加した 。上昇品目数の割合は60.9%(3月は54.6%)、下落品目数の割合は31.1%(3月は36.5%)、「上昇品目割合」-「下落品目割合」は29.8%(3月は18.1%)であった。
4月は年度替りの料金改定が行われやすい月である。食料以外にも被服及び履物、テーマパーク入場料などで値上げの動きが目立った。被服及び履物については、14年4月には消費税率引き上げ分を十分に価格転嫁できなかった一方、消費税率引き上げの影響一巡後も上昇を続けている品目が多い。コアCPI上昇率は前年比でゼロ%となったが、品目数でみれば上昇品目数が下落品目数を大きく上回っており、基調的な物価上昇圧力の強さを示している。
全国のコアCPIは、大幅に下落しているエネルギーのウェイトが東京都区部よりも高いため、5月に13年4月以来の前年比マイナスとなった後、エネルギー価格の下落率が最大となる夏場にかけてマイナス幅が拡大する可能性が高い。
一方、物価上昇がある程度継続してきたこともあり、かつてに比べて企業の値上げに対する抵抗感は小さくなっており、原材料価格の上昇に対応した価格転嫁は比較的スムーズに行われている。物価上昇品目数が下落品目数を大きく上回っていることは、基調として物価下落が加速している状況にはないことを示したものといえよう。
また、15年度入り後は原油価格下落の効果もあり、潜在成長率を上回る成長が続くことが見込まれるため、需給面からの物価押し上げ圧力も徐々に高まっていくだろう。現時点では、コアCPI上昇率は15年末までには再びプラスとなり、原油価格下落の影響が一巡する16年度入り後には1%台まで伸びを高めると予想している。
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(2015年05月29日「経済・金融フラッシュ」)
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