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- 【タイGDP】4-6月期は前年同期比+0.4%~国内の正常化で先行きは景気回復局面へ~
1.4-6月期は前年同期比+0.4%
タイの国家経済社会開発委員会事務局(NESDB)は8月18日に2014年4-6月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率は前年同期比(原系列)+0.4%の増加となり、前期(同▲0.5%)および市場予想(同+0.0%)を上回った。また、前期比(季節調整値)で見ると+0.9%(前期:同▲1.9%)とプラスに転化した。
2.国内の正常化で先行きは景気回復局面へ
今回のGDP統計を見ると、依然として成長率が低迷していることが明らかになった。4-5月はタクシン派と反政府勢力の対立が激化し、軍事クーデターで国内情勢の混乱が極まっていた時期であり、夜間外出禁止令が6月中旬まで企業活動や消費行動に悪影響を及ぼしていたため、4-6月期の実質GDP成長率は前期に続いてゼロ成長となった。
タイ経済の先行きは、国軍のNCPOによる強力な統治の下で国内が正常化に向かうなか、政府機能復旧による公共支出の再開やマインドの回復などによって消費・投資が活性化し、内需主導の景気回復が見込まれる。消費低迷の主因である自動車の販売も自動車購入支援策による需要の先食いの影響が徐々に薄れるなかで、回復に向かうだろう。なお、外需は輸出が米国主導の世界景気回復を受けて緩やかな改善が見込まれるものの、内需の回復により輸入が拡大に向かうことから外需の成長率への寄与度は今後低下する可能性が高い。
一方、先行きの景気への懸念もある。1つは家計債務の問題である。タイでは自動車購入支援策の影響で個人向けローンが膨張しており、収入は債務返済に充てられ、消費の回復が遅れやすい。もう1つはGDPの約1割を占める観光産業の回復の遅れで、6月の外国人の観光客数が前年同月比▲24.4%となっている。戒厳令やこれに伴い旅行保険が適用されなくなることが外国人のタイへの渡航を控えさせている。こうした懸念も踏まえるとタイの景気回復ペースは緩やかなものとなりそうだ。
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