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- 中国の産業構造高度化 ~“世界の工場”からの卒業とサービス産業の将来性
- 中国の産業構造は、成長率の低い第一次産業のシェアが下がり、高い第二次・第三次産業のシェアが上がる形で高度化が進んできた。また、ここ数年は、第二次産業のシェアが低下し始めた一方、第三次産業のシェアは上昇傾向を維持しており、2013年にも第三次産業が第二次産業を抜いて最大シェアとなる可能性が浮上、産業構造高度化は転換期を迎えたようだ。
- 第一次産業は、成長率が3つの中で最も低かったが、就業者数も減少しているため、ここ数年の就業者一人あたり国内総生産の伸びは最も高い。第一次産業では生産量拡大が限界に近いため、余剰労働力を生み出し第二次・第三次産業に供給することで貢献することになるが、生産効率は既に高水準であるため、今後は農地の大規模化という難題に取り組む必要がある。
- 第二次産業は、成長率が3つの中で最も高かったが、就業者数も増えているため、ここ数年の就業者一人あたり国内総生産の伸びは低目に留まる。賃金上昇の中で低付加価値の製造業は国外に流出し始めており、今後は高付加価値の製造業の育成が課題だが、この分野はライバルも強豪揃いで国際シェア拡大は容易でなく、第二次産業の成長鈍化は避けられない。
- 次の主役と期待される第三次産業は、就業者一人あたり国内総生産の伸びが第二次産業を直近4年連続で上回った。輸出・投資主導から消費主導への転換を進める中国では、消費関連が高成長を続けるほか、国際金融センターを目指す上海の金融業、世界第二位の世界遺産を生かした観光業、辺境地域での貿易サービスなど多種多様な可能性を持っている。
- 但し、汚職、知財保護、情報統制など成長を阻害する要因も多く残りそうなことから、高い潜在力を生かしきれず、第三次産業の成長率は8%台前半に留まるだろう。
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三尾 幸吉郎
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(2013年06月28日「Weekly エコノミスト・レター」)
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