- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- >
- 運用リスク管理 >
- 基本ポートフォリオ再考
年金基金は5年に1度、財政再計算に合わせて基本ポートフォリオ(政策アセットミックス:SA)を決定し、現実の資産配分がそこから大きく乖離した場合には、元の資産配分割合に戻すリバランスを実行するのが良いとされてきた。5年よりも短期の市場見通しによって資産配分を変更することは戦術的資産配分(TA)であり、資産配分を変更するための取引コストに見合ったリターンをあげるのは難しいので、避けるべきだとされてきた。
これに疑問が呈されたのが、2008年のリーマン・ショック後の市場の混乱であった。異常事態が発生したのだから、基本ポートフォリオを維持する必要はなく、リバランスを見送るべきだとする年金基金が増えた。
その後市場の変動が沈静化する中、基本ポートフォリオを維持する手法が復活した感がある。確かに超過リターンを狙って週や月単位で配分を変更する戦術的な資産配分(TA)は、容易には成功しない。しかし、オルタナティブはもちろん、先進国の株式や債券、為替などでも割高・割安をある程度判断することは不可能ではない。例えば1 年毎に資産が明らかに割高かどうか検討し、配分を調整することは、受託者責任にも適うより慎重な(プルーデントな)リスク管理といえる。こうした手法にまで、TAというラベルを付け、頭から排除するのは妥当なのだろうか。
このレポートの関連カテゴリ
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月18日
サイレントマジョリティ⇒MAGAで熱狂-米国大統領選挙でリベラルの逆サイレントマジョリティはあるか- -
2024年04月18日
「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向【2023年】(1)~東京23区の新築マンション価格は前年比9%上昇。資産性を重視する傾向が強まり、都心は+13%上昇、タワーマンションは+12%上昇 -
2024年04月17日
IMF世界経済見通し-24年の見通しをやや上方修正 -
2024年04月17日
不透明感が高まる米国産LNG(液化天然ガス)輸入 -
2024年04月17日
英国雇用関連統計(24年3月)-失業率は増加し、雇用者数も減少
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【基本ポートフォリオ再考】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
基本ポートフォリオ再考のレポート Topへ