2012年07月31日

自転車はまちづくりを変えるのか?~ ネットワーク化による持続的なまちづくり戦略を推進せよ ~

社会研究部 土地・住宅政策室長 篠原 二三夫

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■見出し

1――歴史的転換期を迎えた自動車交通
2――自転車先進国?日本の交通政策とは
3――欧米諸国の先端的交通戦略: 自転車道のネットワーク化によるまちづくり
4――むすびにかえて

■introduction

2012年5月の基礎研レターでは、安全という観点から、自転車を中心とする交通政策の転換が始まりつつあることを示した。2010年度(平成22年度)道路交通センサスによる最新データをみると、これまで一貫して増えてきた高速道路・一般道路の交通量は2005~2010年度の間に初めて減少に転じた。東京圏のパーソントリップ調査でも、公共交通や自転車利用が増える一方、自動車利用が減っていることが確認できる。
公共交通や自転車利用の分担率が高い日本は、世界でも先端的な持続可能な交通戦略をもった国のようにみえるが、必ずしも戦略的な政策対応は行われたわけではなく、自転車道の整備は遅れている。
欧米の諸都市では、自動車利用への依存を減らし、公共交通や自転車利用の交通分担へのシフトが必要と考え、自転車道のネットワーク化を中心とした交通・まちづくり戦略を立てている。ネットワーク化は、持続的なまちづくりにつながる重要課題である。
自転車交通が増えたための対症療法として交通政策の転換に着手するという後追い型の取り組みは、既に理想的な交通分担を達成しつつある日本には物足りない。今こそ、持続的な交通戦略づくりを、国と地方自治における重要課題として打ち出し、世界に誇れる魅力あるまちづくりに着手すべきである。




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社会研究部   土地・住宅政策室長

篠原 二三夫 (しのはら ふみお)

研究・専門分野
土地・住宅政策、都市・地域計画、不動産市場

(2012年07月31日「基礎研レター」)

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