2012年01月04日

欧州財務危機から何を学ぶか

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2011 年、ギリシャの財政問題は、一国の危機に留まらず、ユーロ圏全域を巻き込む危機へと拡大した。危機の連鎖を遮断する効果的なリングフェンスの構築に手間取っているためと理解できるが、その背景には次のような点も指摘されている。
財政統合に向けた本格的な議論を避けてきたことや、近年、経済社会構造が大きく変化するなか、旧来型の財政運営をユーロ圏各国が継続してきたことだ。
すなわち、現在の経済社会実態にあわない枠組み(システム)を継続してきたことが、財政問題を深刻化させたとの視点だ。
一度作り上げた枠組みを順守することは重要だが、それ以上に、変わりゆく状況に合わせて、適宜、軌道修正を図ることが、危機や深刻な事態を回避する上でより重要であることを、改めて欧州財政危機から認識することができる。わが国の年金運営にも通じる教訓ではないだろうか。

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【欧州財務危機から何を学ぶか】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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