2011年10月14日

9月マネー統計~銀行貸出にそろそろ底打ちの兆し

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

文字サイズ

■見出し

・貸出動向: 銀行貸出残高は対前年▲0.3%
・マネタリーベース: 歴史的な高水準が続く
・マネーストック: 投資信託、定期預金などが下げ止まり

■introduction

日銀が発表した9月の貸出・資金吸収動向等によると、銀行総貸出(平残)の前年比伸び率は▲0.3%と前月の同▲0.5%からややマイナス幅が縮小した。
内訳では、都銀等が前年比▲2.3%減(前月は▲2.6%減)、地銀が同1.8%増(前月は1.7%増)と、都銀減地銀増の構造は続いているものの、都銀にも再びマイナス幅縮小の動きが出てきている。貸出先別(8月まで)で見ると、銀行貸出全体の4割強を占める中小企業向け貸出の減少は続いているが、大企業向けが09年11月以来となる前年比プラス圏に復帰。社債発行が困難となっている電力会社向け融資の伸びも影響しているようだ(図表1~4)。
資金需要は未だ伸び悩みの状況にあるが、底打ちの兆しも見えてきた感がある。今後の復興に伴う資金需要の規模とペースが鍵を握る。

Xでシェアする Facebookでシェアする

経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【9月マネー統計~銀行貸出にそろそろ底打ちの兆し】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

9月マネー統計~銀行貸出にそろそろ底打ちの兆しのレポート Topへ