2011年08月05日

8月ECB政策理事会:インフレ警戒姿勢は維持、危機拡大には非標準的手段で対応

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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■見出し

・政策金利は据え置き、市場の緊張には非標準的手段で対応
・再開された国債の買い入れ
・景気の先行きの不確実性を強調しつつ、「緩やかな拡大が続く」との見通しは維持
・インフレ・リスクは上振れ。年内追加利上げの可能性を残す

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は4日に8月の政策理事会を開催、政策金利の据え置きとともに国債市場の緊張に資金供給面から対応することを決め、3月以降、停止していた国債の買い入れも再開した。
スペイン、イタリアの国債市場の緊張の高まりに加えて、足もとの経済指標は牽引役のドイツも含めてユーロ圏の景気減速を裏付けるものが増えており、市場ではECBの追加利上げ観測が急速に後退している。「多くの要因から成長のモメンタムは鈍っている」、「不確実性はとりわけ高い」など景気判断は慎重化しているが、「緩やかな景気拡大が続く」との見通し、インフレのリスクは「上振れ」という判断、「とても注意深く監視する」というスタンスは維持、10~12月期の追加利上げの可能性は残されている。

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

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