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- 鉱工業生産11年6月~好調が続く生産活動
■見出し
・生産の回復基調がより鮮明に
・生産が震災前の水準に戻るのは秋以降か
■introduction
経済産業省が7月29日に公表した鉱工業指数によると、6月の鉱工業生産指数は前月比3.9%と3ヵ月連続で上昇し、ほぼ事前の市場予想(QUICK集計:前月比4.3%、当社予想も同4.3%)通りの結果となった。出荷指数は前月比8.5%と2ヵ月連続の上昇、在庫指数は前月比▲2.8%と ヵ月ぶりの低下となった。
6月の生産を業種別に見ると、輸送機械が前月比18.5%となり、5月の前月比36.6%に続き非常に高い伸びとなった。輸送機械は4月には震災前の半分程度まで生産水準が落ち込んだが、この2ヵ月で85%程度まで回復した。また、携帯電話、デジタルカメラの大幅増産などから情報通信機械が前月比11.5%と2ヵ月連続で二桁の高い伸びとなったほか、在庫調整から弱い動きが続いていた電子部品・デバイスが前月比5.3%と4ヵ月ぶりに上昇した。速報段階で公表される16業種中、13業種が前月比で上昇、3業種が低下となった。
4-6月期の生産は前期比▲4.0%と4四半期連続で低下した。1-3月期の同▲2.0%からマイナス幅が拡大したが、これは3月の生産が急速に落ち込んだことで、4-6月期が非常に低い水準からスタートしたことによるもので、4-6月期の生産は実態としては速いペースで回復をしたという評価ができるだろう。ただし、業種別にはかなりばらつきが見られ、一般機械、電気機械、精密機械はすでに震災前の水準を回復した一方で、鉄鋼、電子部品・デバイス、窯業・土石、繊維については、震災後の最悪期の水準からほとんど回復していない。
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷(除く輸送機械)は1-3月期に前期比▲2.4%と7四半期ぶりにマイナスとなった後、4-6月期は同6.0%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷は1-3月期に前期比▲0.5%と5四半期ぶりのマイナスとなった後、4-6月期は同0.2%となった。GDP統計の設備投資が4-6月期に増加に転じるかどうかは微妙だが、震災の影響でいったん落ち込んだ設備投資が持ち直しに向かっていることは確かだろう。
一方、4-6月期の消費財出荷指数は前期比▲6.1%(1-3月期:同▲7.8%)と3四半期連続で低下した。非耐久消費財は前期比2.8%(1-3月期:同▲1.6%)と3四半期ぶりに上昇したが、耐久消費財が前期比▲15.4%と1-3月期(同▲11.7%)に続き大きく低下した。GDP統計の個人消費は10年10-12月期、11年1-3月期に続き前期比でマイナスとなることは避けられないだろう。
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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