2011年02月18日

欧州金融安定ファシリティーの強化と競争力協定~妥協点を探り、3月決着へ

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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  1. EU・IMFの支援下のギリシャ、アイルランド経済の状況は、ポルトガルに、支援下に入れば却って成長が阻害され債務問題の解決が遅れるとの不安を抱かせる。
  2. ユーロ参加国首脳とEU機構は、2月4日のEU首脳会合で危機拡大の抑止力として期待される金融安定ファシリティー(EFSF)の強化について、金融安定と危機克服の「包括的戦略」の一環として3月の最終決着を目指すことで合意した。
  3. 支援強化の条件としてドイツがフランスとともに提案した「競争力協定」には反発もあり、EFSFの機能拡充は期待先行の感がある。経済政策の規律と支援強化の妥協点を探った結果は十分なものではないにせよ、新たな制度とルールを活用した問題解決に取り組むことが望まれる。
  4. ユーロ圏周辺国が陥っている財政と金融の悪循環を断ち切るには、昨年の失敗を教訓にストレステストを活用した金融セクター健全化の具体的成果を挙げることも重要だ。




ユーロ参加国の銀行市場の現状
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伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

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