- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 米国経済 >
- 米4-6月期GDP速報値は年率▲1.0%と減少幅を急速に縮小
■見出し
・4-6月期GDPは、前期比年率▲1.0%と市場予想を上回るマイナス縮小:GDP速報値の概要
・設備投資減少幅の縮小の一方、個人消費のマイナスへの転落が特徴的:需要項目別の動向
・米商務省は、基準値の変更を含むGDPの総合的な改定値を発表
■introduction
米商務省が7月31日に発表した4-6月期実質GDP(速報値)は、▲1.0%(前期比年率:以下も同じ)と、市場予想(同▲1.5%)より改善、前1-3月期(▲6.4%に下方修正)からマイナス幅を大幅に縮小した(図表-1)。一方、今回で昨年7-9月期(同▲2.7%)以降4四半期連続のマイナス成長となるが、これは1947年の調査以来はじめてのこととなる。
GDPの内訳では、個人消費が同▲1.2%(前期は同0.6%)と2四半期ぶりにマイナスに転じたのが注目される。半面、改善が見られたのは、設備投資が同▲8.9%(前期は同▲39.2%)、住宅投資が同▲29.3%(前期は同▲38.2%)、在庫が寄与度▲0.83%(前期は同▲2.36%)とマイナス幅を縮小し、政府支出が同5.6%(前期は同▲2.6%)とプラスに転じたこと等が挙げられる。純輸出は、輸出入とも減少するなか、寄与度が同1.38%(前期は同2.64%)とプラスに寄与したものの、前期から寄与度を半減するなど、主要需要項目で相違の多い状況となった。なお、GDPから在庫・純輸出を除いた国内最終需要(Final sales to domestic purchasers)は、同▲1.5%と、前期(同▲6.4%)から急速にマイナス幅を縮めた。
今回のGDPには強弱両面が見られるものの、マイナス幅が大きく縮小し、在庫調整の進展が続いていること等から、回復局面への道筋を辿りつつあると思われる。ただし、消費の落ち込みが最大の懸念材料であることは間違いなく、今回改めて景気低迷の主因となっていることが示されたと言えよう。消費低迷の背景には、雇用減や資産価格下落の影響があることから、今後、成長率がプラス転換した後も緩やかな伸びに留まると予想される。
なお、オバマ大統領は、今回のGDP発表後、「米経済については、なお慎重に見る必要があるものの、正しい方向に向かっており、設備投資は安定化を見せ始めた。GDPの後退ペースの鈍化には、景気刺激策が影響している」との見方を示した。
このレポートの関連カテゴリ
土肥原 晋
研究・専門分野
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年03月28日
“ガソリン補助金”について改めて考える~メリデメは?トリガー条項との差は? -
2024年03月28日
健康無関心層へのアプローチ -
2024年03月28日
中国経済:景気指標の総点検(2024年春季号) -
2024年03月28日
高齢者就業への期待と課題(中国) -
2024年03月28日
中国における結婚前の財産分与から見た価値観の変化
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
-
2023年04月27日
News Release
【米4-6月期GDP速報値は年率▲1.0%と減少幅を急速に縮小】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
米4-6月期GDP速報値は年率▲1.0%と減少幅を急速に縮小のレポート Topへ