2009年06月12日

欧州経済見通し~落ち込み幅は縮小するが、回復には時間

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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< ユーロ圏 : 2009年マイナス4.5%、2010年0.2% >
  1. 10~12月期、1~3月期に大幅なマイナス成長となったユーロ圏経済は4~6月期に入って落ち込み幅は縮小しつつある。ECBは5月に政策金利を1%まで下げ、6月には固定金利による1年物の資金供給、7月にはカバード・ボンドの買い取りに着手した。
  2. 域外経済の下げ止まりと政策の下支えで、ユーロ圏経済も2010年には下げ止まるものの、雇用、設備の余剰、金融機関の不良資産処理、高レバレッジ是正の圧力が続くため、回復は極めて緩慢なペースとなろう。
< イギリス : 2009年マイナス3.9%、2010年0.6% >
  1. イギリスでは、思い切った金融緩和と金融システム問題への対応の進展により、信用収縮と住宅市場の調整ペースは鈍化しつつあるが、雇用調整は今後も続く見通しである。家計が高水準の負債を抱える中、最大の需要項目である個人消費の回復は期待し難い。
  2. BOEは、政策金利を0.5%の低水準で維持するとともに、3月に開始した中長期国債等の買い入れによる量的緩和を継続、景気の下支えを図る見込み。
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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

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