2008年11月26日

2007年度株主構成調査

新田 敬祐

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日本の主要企業における株主構成の変化を、最新のデータを用いて確認してみよう。下表の集計対象は、各年度末時点における主要三市場(東証、大証、名証)の一部上場企業であり、筆者が独自に分類した株主構成は、対象企業の平均的な状態(企業単位の単純平均)を表している。まず、長期的な傾向をみると、持合、金融機関(除く持合)が減少する一方、機関投資家、内部者の増加が特徴である。
次に、2007年度の重要な変化は、第一に、これまで急増していた機関投資家の足踏み傾向が鮮明になったことである。このうち海外投資家の保有分は3分の2程度と大きいが、2008年7月以降は売越しが続いているので、2008年度末には大幅減少となる可能性もある。
第二に、株式持ち合いが、わずかだが増加に転じたことが注目される。実は、この傾向は1987年度から当該市場に継続上場している「伝統的企業」に顕著で、表掲しないが、対象企業をこれに限定すると、2004年度を底に11.02%から11.41%へと上昇傾向が確認できる。2007年度の対象企業1759社のうち「伝統的企業」は917社(52.1%)に止まるため、市場全体でみると持合復活の状況がそれほど明確になっていないのである。

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