2008年02月29日

水野審議委員講演(2/28)~踊り場的状況、利下げには慎重

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

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■見出し

・講演:踊り場的状況にあり幾分長引く可能性もある
・会見:利下げには慎重 

■introduction

水野審議委員の講演・記者会見が2/28日に行われた(大分県金融経済懇談会)。
米国経済について「V字型の景気回復は容易ではなく、U字型あるいはL字型の景気回復パターンを想定しておいた方が無難だ。潜在成長率に復帰するのは2009年以降というシナリオも想定できる」と述べた。
その上で日本経済について「踊り場的な状況にあり、幾分長引く可能性もある。2007年度、08年度と2年にわたって潜在成長率を下回る可能性を否定できない」と述べた。
水野委員は昨年12月の会合で7月から続けてきた利上げ提案をやめたが、このことについて「今の景気拡大を支える生産・所得・支出の前向きな循環が足元で幾分弱まっている。循環が今後もしっかり機能するかどうか点検する必要があるため、持論の金利正常化プロセスをいったん中断した」と説明した。
また市場で高まりつつある利下げ観測については、「現在の金融環境は十分緩和的。利下げをしても追加的な景気下支え効果は不確実だ。副作用についても十分検討する必要がある」と利下げに慎重な姿勢を示した。

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総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

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