2007年05月07日

4月の米雇用者数は、8.8万人増と前月から半減

土肥原 晋

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■見出し

・4月雇用者増は予想を下回り、2年5ヵ月ぶりの低水準
・賃金上昇率もやや鈍化
・3. 景気の減速持続を確認、先行きの利下げ観測を高める結果に

■introduction

5月4日発表の米国の4月雇用統計では、非農業事業部門の雇用者増が前月比+8.8万人と市場予想の+10.0万人を下回り、2004年11月以来の低水準となった (図表1)。
また、2月の増加幅は+11.3万人から+9.0万人へ、3月は+18.0万人から+17.7万人と合計2.6万人の下方修正が行なわれた。これにより2007年4月までの月平均雇用増は+12.9万人と、2006年の同+18.9万人、2005年の同+21.2万人等との比較でも減少が目立つ状況となっている。このところの景気鈍化が雇用にも反映され、減速の動きを強めた形と言えよう。
今回の減少要因を業種別に見ると、建設業で3月の5万人増から4月は一転▲1.1万人減となったことが大きい。4月はこれまで堅調だった非住宅建設がマイナスに転じ、住宅建設関連業種とともに全体を押し下げた。また、デパートを含む一般小売が3月の3万人増から4月は▲4.1万人となったことも大きかった。
そのほか、製造業で▲1.9万人と10ヵ月連続で減少した一方、サービス部門全体では上記小売業の減少もあって+11.6万人(前月+14.1万人)と2ヵ月連続で増加幅を縮小した。なお、サービス業の中では、ヘルスケアが+3.7万人、飲食店が+2.5万人、等の増加が続いた半面、人材派遣(Employment services)は▲2.7万人と4ヵ月連続の減少となった。
一方、4月の失業率は4.5%と、3月4.4%から上昇した。もっとも、失業率は昨年9月以来4.4%~4.6%の狭いレンジの中での上下の動きが続いており、労働省では本質的な変化はないとコメントしている。また、週平均の労働時間(民間)は33.8時間と前月33.9時間から減少した。

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