2004年06月04日

金融・為替市場の動き/微妙な均衡を保つ長期金利

熊谷 潤一

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

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<今月の日銀ウォッチ>

  1. 4月の消費者物価指数が示すように、確実にデフレ圧力は低下している。夏以降、消費者物価(コア)が前年比で若干のプラスになる月もでてくるだろう。ただし、当研究所では、2005年度は景気後退を予想しており、2005年の夏場には消費者物価が再び小幅なマイナスに転じ、再びプラスに転じるのは早くとも2007年度初め以降と見ている。
  2. 夏場に物価が一時的にプラスになり、さらに原油高、米国利上げの影響により長期金利の上昇が再び顕在化する可能性が高く、日銀にとっては、2005年の景気の見極めとそれに基づいた長期金利抑制策が問題となるだろう。

<金融・為替市場の動き>

  1. 債券市場は、引き続き強弱両要因に挟まれながら、「ゼロ金利+量的緩和」下の落ち着きどころと思われる1%前半~半ばを中心に、狭いレンジでの推移を続けよう。
  2. 目先は「日本買い」的発想から円高余地を探る展開も考えられるが、むしろ膨大な経常収支赤字や地政学的リスクの高まりなどといった「ドル売り」要因がクローズアップされることで、ドル安に拍車がかかるか否かを注視すべきだろう。
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熊谷 潤一

総合政策研究部

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

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