2004年02月01日

資金は為替に向かうか

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世界的に為替運用の人気が高まり、為替運用マネージャーへの資金流入が急増しているようだ。わが国でも、企業年金が投資顧問会社と為替オーバーレイ契約を結ぶことを厚生労働省が認めた。
一昔前まで、資産運用業界で為替取引と言えば、外国証券を売買するために、円と外貨とを交換する取引に過ぎなかった。それが為替リスクを減らすヘッジ目的での取引が普及し、最近では、通貨をツールとしてアクティブ運用を行い、付加価値を追求するオルタナティブ投資も増えてきている。
そもそも、株式や債券市場を凌駕する市場規模であるにも関わらず、為替運用の歴史はまだ浅い。もっとも、運用の歴史が浅いことが好都合でもある。例えば、株式や債券運用での常識が、為替運用では通じない場合もある。テクニカル分析は常套手段であるし、財務省・日銀との心理戦もある。投資家が節目と考える相場水準に対する記憶は少ない。斬新な考え方を持つ運用会社も多い。
株式や債券の魅力が相対的に低下し、為替の人気が高まっているようであるが、これが、運用技術の裏打ちがあってのことなのか、単に一時的なブームで終わるのかを判断するには、もう少し時間が必要かもしれない。

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【資金は為替に向かうか】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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