- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 古今の国勢調査に思う
■intrduction
10月1日に国勢調査が実施された。どうやら、5年後の次回調査における人口数が日本史上のピークとなりそうである。
ところで、近代的人口調査の起源が社会と経済の発展を人口数を通じて追認するという目的に由来することをご存知だろうか。スミスの「国富論」やマルサスの「人口論」が書かれたのは18世紀末だが、英国で国勢調査が開始されたのはそれより後の1801年である。もっとも、近世以前の人口調査については、主たる目的は徴税ベースの把握にあった。現在の調査は純粋に統計法に基づくものだが、その意義はこれらの目的と全く無関係とは言えないであろう。ちなみに、わが国で現行の国勢調査が最初に実施されたのは大正9年(1920年)である。内務省による戸籍調査ならば、明治5年(1872年)から行われている。
しかし、明治以前の全国規模の人口調査となると、江戸時代に徳川吉宗によって始められた幕府の調査と、大化の改新(!)直後の戸籍調査くらいしか存在しない。集権的な力も行使できる中央政府が存在し、社会も安定していなければ人口調査など行えないから、諸外国でも17世紀以前には全国規模の人口調査などほとんどみられない。その中で驚くべき例外と言えるのが中国である。現存の最古戸籍は前漢末期の紀元2年まで溯ることができる。注目されるのは、漢代の税制が意外なほど充実していることである。
石川 達哉
研究・専門分野
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月25日
欧州大手保険グループの地域別の事業展開状況-2023年決算数値等に基づく現状分析- -
2024年04月24日
中国経済の現状と注目点-24年1~3月期は好調な出だしとなるも、勢いが持続するかは疑問 -
2024年04月24日
人手不足とインフレ・賃上げを考える -
2024年04月24日
米国でのiPhone競争法訴訟-司法省等が違法な独占確保につき訴え -
2024年04月23日
他国との再保険の監督に関する留意事項の検討(欧州)-EIOPAの声明
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【古今の国勢調査に思う】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
古今の国勢調査に思うのレポート Topへ