2000年08月01日

負債を考慮したリスク管理

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5月に公表された、リスク管理フォーラムの「リスク管理ガイドライン」では、年金プランのリスク管理において負債側を考慮することの重要性について、冒頭でふれているが、本文での明示的な取り扱いは断念している。おそらく、多様な負債構造に対して、一般的な原則を得ることが難しかったからであろう。
しかし、一般原則の策定が難しくても、個々の年金プランで、負債を考えに入れることはできよう。資産側と負債側はまさにリスク管理の両輪であって、いかに高性能のタイヤ(リスク管理手法)をつけても、空気圧のバランスが崩れていれば、路面(環境変化)に異常反応して、車体(年金プラン)を安全に運転できなくなる。
資産側のリスクをある程度管理できる目処がついたら、すぐに次の段階に進まないと、資産側の管理から何の効果も得られない恐れすらある。すでに一定水準の資産管理レベルをクリアして、負債とのバランスに注力すべき段階の年金プランも多いと思われる。

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