1999年11月01日

ドイツ経済の現状と財政事情

李 世勲

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景気の現状とifo指数
(1)景気の現状
ドイツ経済の減速は98年から始まり、99年上期にも輸出減少、在庫圧縮、生産縮小による企業部門の調整が続いたため、4-6月期の実質GDPは前期比0%と低迷した。低金利と物価安定により実質所得の増加から個人消費が辛うじて景気を下支えしたものの、外需は弱く、企業の慎重な投資姿勢を背景に設備投資も鈍化した。政府支出はコソボ紛争による国防支出の増加等から少し伸びたものの、景気全体を牽引する力はなかった。
特に、輸出減少は直間接的なマイナスの影響が大きく景気低迷の主因となった。ドイツの輸出構造は、(1)域外輸出のウェイトが44%と高く、特に東欧・アジアへの依存も大きい(イタリアも同様)、(2)米・仏と比べて変動の大きい財の比重も86%と高いため、日本を含むアジア経済の低迷、ロシア・南米市場の混乱に影響されやすい。
しかし、99年6月頃からアジア・日本経済の回復、東欧・南米市場の安定などを背景に、ようやくこれら地域向けの輸出が増加に転じ、輸出回復が鮮明になってきた。

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