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■目次
1. 変化する企業の人材派遣利用スタンス
2. 需要増を支える情報化ニーズ
3. 望まれる多様な専門人材の確保
■introduction
人材派遣の需要回復が著しい。 首都圏の主要人材派遣企業 23 社の状況をみると、 月次の派遣社員数伸び率 (対前年同月比) は 94 年下半期からプラスに転じ、 95 年下半期からは連続して2ケタの伸びとなっている (図表-1)。
労働省の調べによれば、 人材派遣業の売上高は 91 年度までの3年間は年率 23.2%の高い割合で増加していたものの、 92 年度以降は逆に3年連続して減少した。 しかしながら 95 年度にはプラスに転じるなど、 景気の緩やかな回復を背景に企業の派遣需要は戻りつつある。
一方、 有効求人倍率は徐々に改善されつつあるものの依然1倍を割りこんでおり、 企業の求人意欲は高まっているとは言い難い。 しかしながら、企業間競争が一段と激化するなかで、 コスト削減や自社の得意とする分野への経営資源の集中、 専門性の確保といった戦略のもとに、 コア業務以外の業務をアウトソーシング (外部化) する企業が増えてきており、 外部資源を有効活用するという考え方が、 派遣需要を増加させていると推察できる。
また、 企業は雇用に対する慎重な姿勢を保ちつつ短期派遣契約を利用して景気の回復状況を見極めていたが、 ここにきて、 派遣人材を活用した効率経営の実現へと、 そのスタンスを次第に変化させてきていると推測される。 派遣社員数の伸び率を契約期間別にみると、 需要回復期の当初は、 3ヶ月未満の短期需要が牽引していたが、 96 年7月からは長期派遣 (3ヶ月以上1年未満) の伸び率が短期を上回るようになってきている (図表-2)。 また、 一般職の採用を止め、 派遣社員に切り替える企業も見受けられる。
こうした状況を受け、 ここ数年横ばいを続けていた派遣料金にも上昇の兆しがみられる。 日本銀行調べによる 96 年の派遣サービス価格指数は対前年で 1.3 ポイント上昇した。 また、 97 年4月から大手企業を中心に3%程度の派遣料金の値上げが実施されている。
野々山 尚子
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