- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- デリバティブの会計処理・ディスクロージャーはどうあるべきか ~米国における検討を参考として~
1995年09月01日
<要旨>
- 最近、デリバティブ(金融派生商品)取引がわが国においても増加している。デリバティブの発展を支えるキーポイントは、「インフラの整備」、「内部管理」、「外部への透明性」である。これらの内で特に「外部への透明性」としての会計処理・ディスクロージャーの分野における改善が求められている。
- 米国においては、デリパティブは原則として時価評価し、へッジであるものは繰り延べるという会計処理が行われてきた。しかし、デリバティブの普及とともに問題が生じ、ディスクラージャーの拡充についてはいくつかの対応が行われている。会計処理についてもへッジを含めたデリバティブの会計処理について現在議論が行われている。
- わが国においても、金融制度調査会をはじめ各方面で、デリバティブの会計処理・ディスクロージャーについて議論が行われている。わが国においてもデリバティブを利用する企業の「外部への透明性」は不可欠な問題であり、米国のような先進事例を参考として検討すべきであろう。
- デリバティブのような金融商品の発展や現在の変動の激しい経済環境においては、取得原価による“What was”についての情報だけでは十分な情報提供ではない。企業の現在を把握するためにも、時価評価である“What is”を評価体系に採り入れることが求められるようになっている。投資家は、企業の過去や現在ではなく、その企業の将来に対して投資するのであるから、将来についての“What if”の情報も必要となっている。
- 今後、わが国の事業会社においてもデリバティブの時価情報やリスクに関する情報のディスクロージャーを充実する必要があろう。会計処理においても、へッジ会計の導入と時価評価に基づく会計処理の導入が求められる。
このレポートの関連カテゴリ
栁田 宗彦
研究・専門分野
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月19日
しぶといドル高圧力、一体いつまで続くのか?~マーケット・カルテ5月号 -
2024年04月19日
年金将来見通しの経済前提は、内閣府3シナリオにゼロ成長を追加-2024年夏に公表される将来見通しへの影響 -
2024年04月19日
パワーカップル世帯の動向-2023年で40万世帯、10年で2倍へ増加、子育て世帯が6割 -
2024年04月19日
消費者物価(全国24年3月)-コアCPIは24年度半ばまで2%台後半の伸びが続く見通し -
2024年04月19日
ふるさと納税のデフォルト使途-ふるさと納税の使途は誰が選択しているのか?
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【デリバティブの会計処理・ディスクロージャーはどうあるべきか ~米国における検討を参考として~】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
デリバティブの会計処理・ディスクロージャーはどうあるべきか ~米国における検討を参考として~のレポート Topへ