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- 定期借地権住宅ブームは定着するか -その現状と課題-
<要旨>
1.平成4年の借地借家法改正により「定期借地権制度」が創設され、これを利用した「定期借地権住宅」がブームになっている。その背景には、以下のように事業関係者の利害が一致したことがあげられる。
2.主な販売事例から、次のような特徴がみられる。
3.制度発足後間もないこともあり、さまざまな課題を抱えたまま販売が増加している。特に問題とされるのが、(1)借地権を賃借権とするか地上権とするか(2)保証金の水準や保証金への融資問題(3)契約期間中の解約や期間満了時の取扱い(4)流通市場の整備-等である。
4.このような事業方式面の課題が解決されたとしても、供給者側の都合を優先し無秩序な供給が続いた場合、狭小な賃貸アパー卜が過剰に供給され需給関係が悪化したように、立地条件の悪い定期借地権住宅が供給過剰になるおそれがある。これからは、年代別の世帯数の動向や人口の地域間移動など、住宅市場をめぐる長期的な動向を視野に入れた定期借地権住宅の供給が求められよう。多少高価格であっても住環境が優れていたり利便性が高い戸建住宅や都心型マンション、業務機能が分散した場合に地方部で発生する住宅需要に対し地価高騰を招かない定期借地権住宅など、多様なニーズに対応する住宅供給が考えられる。
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関谷 匡
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