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2026年02月06日

急騰後に急落、金相場はどこへ向かう?~2026年のGold価格見通し

経済研究部   主席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

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■要旨
 
  1. 昨年のNY金先物の年間上昇幅は1700ドルと未曽有の大きさとなり、上昇率も64.4%と、1979年以来の伸びとなった。トランプ政権による大規模な関税発動やFRBに対する執拗な介入、地政学リスクの高止まりなどが追い風となった。
     
  2. さらに今年に入ると上昇ペースが加速し、1月29日には一時5600ドル台と昨年末比で1200ドル以上高い水準に急騰した。年明け早々、米国によるベネズエラでの軍事作戦や、イラン情勢の緊迫化、グリーンランドを巡る欧米の対立など、地政学リスクの高まりを意識させる出来事が相次ぎ、安全資産としての金需要が喚起されたことなどが原因だ。しかし、その後は一転して急落した。相場が過熱した状況下で、トランプ大統領がタカ派と見なされているウォーシュ氏を新FRB議長に指名したことが引き金となった。
     
  3. 先行きの金相場は上昇基調を辿る可能性が高いと考えている。そして、その原動力となるのは、昨年に続いてトランプ政権だ。今年終盤に中間選挙を控え、大統領は今後もFRBに利下げを迫り続けるだろう。FRBが段階的に利下げすれば、金利低下やドル安がNY金の上昇要因になる。他方、FRBが利下げを躊躇する場合には、大統領による揺さぶりがドルの信認に対する不安を喚起することで、やはりNY金の支援材料になり得る。さらに大統領は、外交・安全保障領域での成果を獲得するために、対外強硬姿勢を高いレベルで維持する可能性が高い。ここから生まれる地政学リスクの高まりや世界秩序の崩壊懸念、世界経済の減速懸念は安全資産への需要を喚起し、NY金の上昇要因になる。従って、年間上昇幅の目安としては、1500ドル程度、今年年末の水準感は5800ドル程度と予想している。ただし、相場のボラティリティが高まっているうえ、予見可能性の低いトランプ政権の言動によるところが大きいだけに、ある程度広めの幅を持って見ておきたい。

 
金の内外先物価格
■目次

1.トピック:急騰後に急落、金相場はどこへ向かう?
  (2025年の振り返り・・・歴史的な上昇に)
  (2026年は波乱の幕開けに)
  (2026年の金相場展望)
2.日銀金融政策(1月)
  (日銀)現状維持
  (今後の予想)
3.金融市場(1月)の振り返りと予測表
  (10年国債利回り)
  (ドル円レート)
  (ユーロドルレート)

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2026年02月06日「Weekly エコノミスト・レター」)

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