- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済予測の上方修正からアベノミクスの効果を探る
アベノミクスの効果を定量的に捉えることは難しいが、エコノミストの経済予測が安倍政権発足前後でどれだけ変化したかを見ることにより、その効果を探ってみた。
ESPフォーキャスト調査を用いて、政権交代前と直近の予測値(平均)を比較すると、実質GDP成長率は2013年度が1.45%(1.37%→2.82%)、2014年度が0.33%(0.23%→0.56%)の上方修正、消費者物価上昇率は2013年度が0.35%(0.08%→0.43%)、2014年度が0.39%(0.34%→0.73%)の上方修正となっている。
実質GDPの上方修正を需要項目別にみると、民間消費、公的固定資本形成、外需の上振れが大きい。また、当研究所のマクロモデルによる試算では、実質GDPの上方修正は円安、株高、公共投資増額でほとんど説明できる。
このことは、これ以上の円安、株高がなければ成長率のさらなる高まりが期待しにくいことを意味している。実際、一本調子の円安、株高が止まったことを受けて、7月、8月のESPフォーキャスト調査では、予測値の上振れが一服する動きが見られた。
円安、株高が止まった後も、成長率、物価見通しの上方修正が続くようであれば、エコノミストはアベノミクスを本物と見ていることになる。アベノミクスの真価が問われるのはこれからだ。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月19日
しぶといドル高圧力、一体いつまで続くのか?~マーケット・カルテ5月号 -
2024年04月19日
年金将来見通しの経済前提は、内閣府3シナリオにゼロ成長を追加-2024年夏に公表される将来見通しへの影響 -
2024年04月19日
パワーカップル世帯の動向-2023年で40万世帯、10年で2倍へ増加、子育て世帯が6割 -
2024年04月19日
消費者物価(全国24年3月)-コアCPIは24年度半ばまで2%台後半の伸びが続く見通し -
2024年04月19日
ふるさと納税のデフォルト使途-ふるさと納税の使途は誰が選択しているのか?
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【経済予測の上方修正からアベノミクスの効果を探る】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
経済予測の上方修正からアベノミクスの効果を探るのレポート Topへ