2012年10月31日

中期経済見通し(2012~2022年度)~険しい経済正常化への道のり

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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世界経済はリーマン・ショック後に各国が財政・金融政策を総動員したことにより回復を続けてきたが、ここにきて停滞色を強めている。
欧州に続き日本も景気後退局面入りしている可能性が高いが、各国が協調を進めることによってリーマン・ショック時のような急激な落ち込みは回避され、2010年代半ばに向けて世界経済は持ち直しに向かうことが見込まれる。
今後10年間の世界経済は引き続き新興国が牽引役となり、2022年には新興国の経済規模(ドルベース)は先進国にほぼ等しくなる。ただし、新興国でも高齢化の影響から成長率の鈍化は避けられない。世界経済の成長率は巡航速度を取り戻す2010年代半ば以降でも4%程度にとどまるだろう。
2022年度までの10年間の日本の実質GDP成長率は平均1.1%と予想する。消費増税の相当部分は、景気悪化による税収の落ち込みにより相殺されてしまうため、国・地方の基礎的財政収支を2015年度に2010年度比で半減、2020年度に黒字化するという政府目標は達成されない可能性が高い。

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

(2012年10月31日「基礎研マンスリー」)

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