2015年08月05日

一元化後の積立金運用とキャッシュフロー

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「専売公社」や「電電公社」を覚えておられるだろうか。

この2つに国鉄を加えた「3公社」は約30年前に民営化され、その約10年後に各団体の共済年金が厚生年金に統合された。さらにその5年後には農林共済が自ら希望して厚生年金に統合され、今年10月には公務員共済と私学共済が厚生年金に統合されて被用者年金がすべて一元化される。

「一元化」と言っても、約30年前の基礎年金の導入時と比べれば給付内容の変化は小規模だ。また共済組合等は存置され、事務や積立金の運用を恒久的に担い続ける。過去の統合と同様に共済組合等から厚生年金への“持参金”は計算されるが、帳簿上の話であり、積立金の運用は共済組合等が持参金も含めて一体的に行う。

こう見ると大きな変化がないようだが、「厚生年金拠出金」「厚生年金交付金」という新たなキャッシュフローの仕組みには気をつけたい。当面約10年間は激変緩和措置が適用される見込みだが、その後は規模の小さい共済組合等の運用に影響を及ぼしそうである。激変緩和措置の存廃判断はまだ先の話だが、存廃だけでなく積立金運用のあり方についても議論の継続を期待したい。

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【一元化後の積立金運用とキャッシュフロー】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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