2014年07月29日

カナダの健全性規制の動向

荻原 邦男

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■要約

カナダは生命保険会社の会計や健全性規制の面から見たとき、他の国々にない特徴を持っており、大変気になる、注目に値する国である。

    (会計)

  • 資産評価に関して、従来は15%ルールという価格変動をスムージングする仕組みを持っていたが、いち早く、資産の公正価値評価に移行した。
  • 現在では、オーストラリアと並んで国際会計基準の全面採用国として知られている。
  • 保険会計では、財務会計と法定会計を別に持つことはなく、ひとつで両者の機能を兼ねている。
    (この点は、わが国も同様である。なお、米国では、財務会計と法定会計は別物である。)

    (健全性規制)

  • 1990年代初頭に、米国の健全性規制(RBC)にわずかながら先んじて、健全性規制の枠組みを整えた。(MCCSR(最低資本サープラス規制)と呼ばれるフレームワークである。)
  • 変額年金の最低保証部分の債務を確率論的に測定する仕組みを米国に先駆けて導入した。
  • 解約返戻金を低水準に設定し、利益が解約率に依存する仕組みの商品を多く持っており、解約率の変動によるリスクを明示的に健全性規制に取り込んでいる国として知られる。

カナダは、2015年に予定していた健全性規制の新しいフレームワークの導入を、2018年まで遅らせるとの発表を行った。それは何が原因なのだろうか、我々への示唆は何か。
これらについてレポートする。

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【カナダの健全性規制の動向】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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