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- 【マレーシア7-9月期GDP】前年同期比+4.7%-投資・輸出は回復も、個人消費が09年以来の5%割れ
実質GDP成長率は前年同期比+4.7%と前期の同+4.9%から低下し、Bloomberg調査の市場予想(同+4.7%)どおりの結果となった。成長率は2期連続で5%台を下回り、7-9月期も昨年後半からの景気減速局面が続いていることが明らかとなった。輸出や投資の回復といった好材料が見られたものの、個人消費が4-6月期から一層鈍化して全体を押下げた。
個人消費の伸び率(前年同期比)が5%を下回ったのは、金融危機の影響で低迷した2009年以来初となる。民間消費の鈍化は、物価上昇に伴う家計の実質所得の減少や消費者マインドの冷え込み、それに労働市場の軟化が影響したと見られる。
投資はこれまで続いた輸出不振や株価下落などによって企業の景況感が落ち込んでいるものの、設備投資と建設投資がそれぞれ上昇した。これはリンギ安に伴う価格競争力の向上によって、電気・電子機器をはじめとする輸出型製造業がこれまで抑えてきた投資を一部再開したためと見られる。また建設投資はLRT(軽量高架鉄道)やMRT(大量高速交通システム)など交通インフラの整備計画を進める公的部門が冴えない民間部門を下支える状況が続いている。
ナジブ首相は9月に特別経済政策を打ち出し、政府系投資会社のカザナ・ナショナルも足並みを揃えて国内産業の投資計画を進めると公表するなど、政府は弱含む国内経済の下支えに取り組んでいる。しかし、海外の資源需要の回復は遅れており、資源価格に持ち直しの動きは見えていない。従って、今後も石油関連企業の投資計画は先送りされ、石油関連収入が不足する政府の財政余力も乏しい状況に変わりはない。同国経済は海外経済の持ち直しを待つ、苦しい状況が続きそうだ。
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(2015年11月13日「経済・金融フラッシュ」)
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