2014年07月28日

【6月米耐久財受注】資本財(≒設備投資)に暗雲か

経済研究部 主任研究員 高山 武士

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【要旨】

結果の概要:耐久財受注は反転、資本財(設備投資)には懸念も

7月25日、米国商務省が6月の製造業の耐久財出荷・在庫・受注統計を公表した 。注目度の高い耐久財受注額は前月比+0.7%となり、前月改定値(同▲1.0%)からプラスに転じ、市場予想の+0.5%(Bloomberg集計の中央値、以下同様)も上回った)。振れの大きい輸送用機器を除いたベースでも前月比+0.8%となり、前月改定値(同▲0.1%)や市場予想(同+0.5%)を上回っている。背景には、輸送用機器と同じく変動の大きい国防関連が前月比+2.5%となり、前月(同▲26.0%)に記録した大幅な落ち込みから反発したことがある(詳細はPDFを参照)。
また、設備投資の先行指標となるコア資本財(国防および航空を除く)受注高 も前月比+1.4%と、前月改定値(同▲1.2%)からプラスに転じ、市場予想(同+0.5%)を上回った。しかし、コア資本財受注については、5月の修正値が速報値から大幅に下方修正されており(前月比+0.7%→同▲1.2%)、今月の伸び率だけで強弱は判断できない。3カ月移動平均で見ると上昇ペースはむしろ減速しており、今後の動きも注意深く追う必要があるだろう。さらに、6月はコア資本財の出荷額が前月比▲1.0%(前月:同▲0.1%、市場予想:同+1.3)と奮わず、5月の修正値も速報から下方修正されている(前月比+0.4→同▲0.1%)。出荷額も受注額と同様、3カ月移動平均伸び率の減速が見られ、これは4-6月期GDPの設備投資項目の伸び悩みに直結する。それだけに、まず設備投資の足もとの状況を包括的に把握できる30日公表のGDP統計は注目と言える。


米国製造業の耐久財受注/米国製造業の耐久財受注・出荷と設備投資

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経済研究部   主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

経歴
  • 【職歴】
     2002年 東京工業大学入学(理学部)
     2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
     2009年 日本経済研究センターへ派遣
     2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
     2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
     2014年 同、米国経済担当
     2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
     2020年 ニッセイ基礎研究所
     2023年より現職

    【加入団体等】
     ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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