2014年07月10日

企業物価指数(2014年6月)~原油高を背景に2ヵ月連続で上昇幅拡大

岡 圭佑

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■見出し

・原油高を背景に2ヵ月連続で上昇幅拡大
・輸入物価は上昇基調へ
・最終財価格は緩やかな上昇

■要旨

7月10日に日本銀行から発表された企業物価指数によると、2014年6月の国内企業物価指数は前年比4.6%となった。事前の市場予想(QUICK集計:前年比4.5%)を上回り、上昇幅は5 月の同4.4%から拡大した。消費税分を除いた6月の企業物価は、前年比1.7%と5月の同1.6%から0.1%上昇した。6月の企業物価が上昇幅を拡大したのは、機械類、鉄鋼・建材関連、素材(その他)、為替・海外市況連動型の寄与度が前月より高まったためである。イラク情勢の悪化を主因とした原油高が、素材(その他)、為替・海外市況連動型の寄与度を押し上げた。また、企業の設備投資の回復を反映し、機械類の寄与度のマイナス幅が縮小した。足元の円安基調は一巡しているが、それ以上に原油価格の高止まりが為替・海外市況連動型の寄与度を押し上げ、企業物価は緩やかに上昇することが見込まれる。

6月の輸入物価(円ベース)は、前年比4.2%と5月の同0.7%から上昇幅が拡大し、前月比0.2%と5月の同▲0.6%から上昇に転じた。原油高を主因とした石油・石炭・天然ガスの寄与度の上昇が輸入物価(前年比)を押し上げた。原油価格の高止まりを背景に、輸入物価は引き続き緩やかな上昇基調を続けることが見込まれる。

需要段階別指数(消費税除く、国内品+輸入品)をみると、国内需要財価格は円安効果の一巡などから伸び率の鈍化傾向が続いていたが、6月は上昇幅が再び拡大した。原油高を主因とした素原材料価格の上昇が中間財価格や最終財価格の物価上昇に徐々に波及している。

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