2014年05月26日

【4月米住宅販売】新築43.3万件、中古465万件、寒波からの反動増は弱い

経済研究部 主任研究員 高山 武士

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【要旨】

結果の概要:前月は上回ったが、住宅市場の弱さは払拭できず

5月22日に全米不動産協会(NAR)が4月の中古住宅販売件数を、23日には米国商務省と住宅都市開発省(HUD)が共同で4月の新築一戸建て住宅販売件数を公表した。
4月の中古住宅販売件数は季調済の年換算で465万件(前月改定値:同459万件)となり、前月からやや拡大したものの、市場予想の469万件(Bloomberg集計の中央値、以下同様)には届かなかった。一方、4月の新築一戸建て住宅の販売件数は季調済年換算で43.3万件(前月改定値:同40.7万件)となり、前月や市場予想(42.5万件)を上回る結果となった(詳細はPDFを参照)。
4月の販売件数は中古住宅、新築住宅ともに前月を上回ったが、寒波前の水準には届いていない。4月に入って寒波の悪影響がほとんど解消されつつあることに鑑みれば、反動増が弱く、物足りなさを感じる結果であり、住宅市場の不調は払拭できなかったと言える。
今後の住宅市場については、人口増や景気回復が市況改善の材料となる一方で、量的緩和政策の出口が視野に入るため、住宅ローン金利には上昇圧力が生じることが見こまれる。強弱混在の状況が予想されるが、量的緩和が出口に向かっても、当面は実質ゼロ金利政策が維持されると見られることから、住宅ローン金利の上昇余地も限定的となると考えている。
したがって、メインシナリオでは住宅販売件数は景気の回復に伴って、ゆっくりとしたペースで回復基調を辿ると見ている。ただし、FOMCで言及されているように、住宅市場の低迷は米国経済にとっての懸念材料であり、今後の動向は注目と言えるだろう。

住宅販売の動向/住宅ローン金利と申請件数の動向


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経済研究部   主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

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