- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- 【韓国GDP】輸出主導型の順調な回復
1.現状:回復が続く
韓国銀行(中央銀行)は1月23日、2013年10-12月期の実質国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率は前期比(季節調整済)で+0.9%となり、7-9月期(同+1.1%)からやや減速した(図表1)。ただし、前年同期比では+3.9%(前期:同+3.3%)と改善している。その結果、2013年通年の成長率は前年比+2.8%(2012年は同+2.0%)となった。これは年初に韓国銀行が公表した見通しと一致している。
2.輸出主導型の順調な回復
今回発表されたGDP統計からは内需、外需ともに改善が続いていることが明らかになった。昨年末には鉄道公社(KORAIL)で公営企業改革に反対するストライキが約1カ月間続くなど、国内の政治問題による経済活動の減速も懸念されたが、成長率への影響は限定的であり、総じて見れば、輸出主導型の順調な回復基調と言える。
ただし、輸出の勢いは強くなく、在庫の積み上がりも残っていることには注意が必要だろう。輸出拡大の期待は高まってきたが、その拡大ペースが緩慢であれば、再び成長が鈍化する可能性もある。現在は輸出主導型の景気回復の入口であり、まだ安定成長と判断するには早計と思われる。
こうした状況のなか、朴大統領は今年に入って、「経済革新3カ年計画」を公表、公営企業改革や中小企業の育成、規制緩和に取り組むことで内需を活性化させる方針を示した。ただし、これらの政策を打ち出したことで一時的に国内の景況感が改善する可能性はあるが、実際に政府が期待するような効果を上げることは難しく、3カ年計画の目標として掲げた1人当たり国民所得4万ドルの達成は困難だと思われる。
改革姿勢を打ち出したことは評価できるが、少なくとも、短期的には韓国経済の構造を変えることは難しく、当面は輸出の動向に左右される展開が続くと見られる。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1818
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年03月28日
健康無関心層へのアプローチ -
2024年03月28日
中国経済:景気指標の総点検(2024年春季号) -
2024年03月28日
“ガソリン補助金”について改めて考える~メリデメは?トリガー条項との差は? -
2024年03月28日
高齢者就業への期待と課題(中国) -
2024年03月28日
中国における結婚前の財産分与から見た価値観の変化
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
-
2023年04月27日
News Release
【【韓国GDP】輸出主導型の順調な回復】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
【韓国GDP】輸出主導型の順調な回復のレポート Topへ