2013年07月19日

資金循環に見る米経済の実態(2013年)

土肥原 晋

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<米国経済の概況>

  • 米経済の4-6月期は、主要な経済指標で、強弱が混在する状況となっている。好調なのは住宅関連指標と自動車販売であるが、いずれも金利低下のメリットが大きく、背景には金融危機時の落ち込みによるペントアップデマンドがあるとされている。
  • 半面、6月の自動車除きの小売売上高は横ばい、ISM指数も概して低調である。雇用者増は堅調ながら失業率は高止まりしている。何より、4-6月期のGDPの低迷が予想される中では、FRBが資産購入縮小を開始するには力不足と思われる。

<資金循環に見る米経済の実態>

  • 資金循環面では、金融危機前後の混乱からの回復が進展している。家計部門ではバランスシート調整が収束を見せ、2012年の負債は5年ぶりに増加に転じた。
  • リセッション後に、家計や企業の資金余剰が拡大する一方、連邦政府の負債が顕著に増加、連邦政府が一人資金の取り手となる状況は不変である。増税や歳出削減等で2013年度以降の財政収支の改善が期待されており、今後の財政赤字縮小の動きが注目される。
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(2013年07月19日「Weekly エコノミスト・レター」)

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