2009年05月22日

2009・2010年度経済見通し~最悪期を脱した日本経済

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

文字サイズ

<実質成長率:2009年度▲3.8%、2010年度1.2%を予想>
  1. 2009年1-3月期の実質GDPは、前期比▲4.0%(前期比年率▲15.2%)と過去最大のマイナス成長となったが、輸出の下げ止まり、在庫調整の進展などから、景気後退局面は1-3月期中に終了している可能性が高い。
  2. 輸出の持ち直し、定額給付金の支給に伴う民間消費の増加などから、4-6月期は5四半期ぶりのプラス成長となり、経済対策による公共投資の大幅増加が見込まれる7-9月期は潜在成長率を大きく上回る高成長となるだろう。
  3. 実質GDP成長率は2009年度が▲3.8%、2010年度が1.2%と予想する。四半期ベースではプラス成長が続くものの、2008年度下期の成長率の落ち込みが非常に大きく2008年度から2009年度へのゲタ(発射台)が▲4.9%となったため、年度ベースの成長率は2008年度の▲3.5%に続き大幅なマイナスとなるだろう。
  4. 個人消費、設備投資の基調は引き続き弱く、経済対策の効果が剥落する2010年度入り後には景気の停滞色が強まる可能性があるだろう。
38204_ext_15_1.jpg
Xでシェアする Facebookでシェアする

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【2009・2010年度経済見通し~最悪期を脱した日本経済】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

2009・2010年度経済見通し~最悪期を脱した日本経済のレポート Topへ