2018年08月07日

ドイツにおける追加責任準備金(ZZR)制度の見直しを巡る動き-BaFinとDAVによる新たな方式-

保険研究部 常務取締役 研究理事 兼 ヘルスケアリサーチセンター長   中村 亮一

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■要旨

ドイツにおいては、国内の生命保険会社の法定会計において、一定のルールに基づいて強制的に追加責任準備金の積立を求める、いわゆるZZR(Zinszusatzreserve)と言われる制度が2011年に導入された。昨今の低金利環境下で、この制度に基づく、追加の責任準備金積立負担が大きなものになっていることについては、基礎研レポート「金利低下に保険監督当局はどう対応してきたのか-ドイツBaFinの例-」(2015.6.15)(以下、「前回のレポート」)で報告した。さらには、そうした状況下で、保険監督当局であるBaFin(連邦金融監督庁:Bundesanstalt fur Finanzdienstleistungsaufsicht)が、2015年度決算において、ZZR制度の適用緩和策を導入したことを、基礎研レター「ドイツにおける追加責任準備金(ZZR)制度を巡る動き-BaFinによる適用緩和策-」(2016.2.22)で報告した。

その後も、ドイツの金利環境を巡る状況は厳しく、毎年の決算において多額のZZRの積立を余儀なくされている。また、その財源確保のために、債券の売却を行って、含み益の実現を余儀なくされることで、生命保険会社の財務状況に与える影響等が極めて大きなものとなっている。

こうした状況下で、生命保険業界等は、これまでBaFinや財務省に対して、現行のZZR制度の見直しについて、強い働きかけを行ってきた。

一方で、ドイツの連邦議会の金融委員会は、財務省に対して、2014年から施行されている生命保険改革法(LVRG)の影響を評価し、これを報告するように求めていた。財務省は、これに応えて、6月28日に「評価報告書」を金融委員会に提出して、公表した。この「評価報告書」の中で、ZZRについては、BaFinによる調査結果が示され、現行の制度に基づく課題が示され、その計算ルールの調整を行うべきとの結論が述べられた。

ZZR制度の見直し案については、これまでにDAV(ドイツ・アクチュアリー会)が具体的な提案を行い、BaFinとの検討も行われて、共同で開発されてきている。今後は、この見直し案に基づいて、ZZRの見直しが行われていくことが想定されている。

今回のレポートは、こうしたZZRを巡る最近の状況及び新たなZZRの見直し案及びその影響等について報告する。

■目次

1―はじめに
2―現行のZZR制度について
  1|ZZR制度の概要
  2|ZZR制度による追加責任準備金の積立状況
3―今回のZZR制度の見直し案について
  1|財務省の「評価報告書」-ZZR制度見直しの必要性について-
  2|ZZR制度の見直し案の概要
4―今回の見直し案による参照利率及びZZR積立額への影響
  1|回廊法(コリドー法)適用の影響
   -アセクラータ(Assekurata) による分析(1)-
  2|回廊法(コリドー法)適用の影響
   -アセクラータ(Assekurata) による分析(2)-
5―今回の見直し案によるその他の財務面等への影響
  1|現行方式による課題
  2|回廊法(コリドー法)の採用による効果
6―まとめ
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保険研究部   常務取締役 研究理事 兼 ヘルスケアリサーチセンター長

中村 亮一 (なかむら りょういち)

研究・専門分野
保険会計・計理

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