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- 図表でみる世界経済(GDP編)~世界経済勢力図の現在・過去・未来
1――現在の経済勢力図
2――消費と投資で大きく異なる勢力図
3――経済勢力図の変遷
しかし、その後のソ連では経済が停滞したため、そのシェアはソ連崩壊直前(1990年)に3.4%まで縮小、米国との差は歴然となった。ソ連に代わって世界第二位に浮上したのが日本であり、1987年には一人当たりGDPで米国を超えた。そして、日米貿易摩擦が深刻化した時期と重なる(図表-6)。
その後、2010年に日本を抜き世界第二位の経済大国になったのが中国である。1978年に改革開放に動きだした中国は、旧ソ連諸国に先駆けて1980年にはIMFと世界銀行に加盟、1993年には市場経済を通じて社会主義を実現するとして憲法を改正し「社会主義市場経済」へ移行、2001年には世界貿易機関(WTO)にも加盟した。米国を発火点に世界経済を揺るがしたリーマンショック(2008年)に際しても、欧米先進国の成長率が軒並みマイナスに落ち込む中で、中国はいち早く大型景気対策を打って前年比9.2%増の高成長を維持、日米を大きく上回る経済成長を続けて世界第二位に浮上した。
4――5年後の勢力図と日本の立ち位置
米中二極体制の下、米中両国といかに関わり自らの利益を守っていくのか、日本の外交力が問われることになりそうだ。その点、EUがここもとの米欧貿易摩擦で取ったスタンスは参考になるだろう。EUは6月1日、米国の輸入制限に対してWTOに紛争解決に向けた協議を要請すると同時に、中国の知的財産権侵害に対してもWTOの紛争処理手続きを開始、米中どちらにも偏らず自らの利益を守るスタンスで臨んだ。日本にとってはEUとの協力もその重要性を増しそうである。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
三尾 幸吉郎
研究・専門分野
(2018年06月08日「基礎研レター」)
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