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- 成長が加速するインドネシアの生保市場-インドネシアの生命保険市場(2016)-
グラフ3の左側は、2016年にどの商品がどの程度販売されたかを、新規販売された契約からの初年度保険料の商品別構成比として表したものである。
これを見ると、養老保険が53.9%と一番多く、次がユニットリンク保険の25.7%で、両者をあわせた貯蓄性・投資性商品の販売割合が79.6%を占めている。保障性商品である定期保険(13.0%)、医療保険(4.4%)の比率は小さい。
(2)既存契約・新契約全契約からの収入保険料で見た保有契約の商品別構成(個人保険・団体保険総合)
グラフ3の右側は、新契約だけでなく既存の契約を含む全ての契約から収入される生命保険料を、その源にある商品別に分類したグラフである。
こちらのグラフでは、ユニットリンク保険が過半の54.5%を占め、養老保険が31.3%で続く。両者をあわせた投資性・貯蓄性商品の比率は85.8%にもなる。保障性商品である定期保険(8.3%)、医療保険(3.9%)は、初年度収入保険料におけるよりもさらに存在感が小さくなる。
今回OJKが発表した統計資料には販売チャネルに関する統計が含まれていない。グラフ4は2017年4月の前回レポートとは情報源を変え、ミリマン社の“Indonesia Life Insurance Newsletter, June 2016”に掲載されていたインドネシア生命保険協会(AAJI)発表の2014年と2015年の統計データを使用したグラフに切り替えて掲載している。
情報源を異にするので若干、前回の数値とは食い違いがあるが、インドネシアにおける最大の生保販売チャネルがエージェントであり、それに次ぐチャネルがバンカシュランスであることは変わらない。2014年から2015年にかけて、バンカシュランスのシェアが増えつつある。
4――市場参入の状況 会社数の推移
OJKはビジネスユニットの一つとしてシャリア生命保険事業を行っている生命保険会社に対し、シャリア生命保険部門を分社化することを求めている。これに応じ2016年には1つのシャリア生命保険専業会社が発足した。
5――さいごに
冒頭に記したプルデンシャルファイナンシャルのような、有力生保会社の海外からの参入はこれからも続くだろう。OJKの要人は、インドネシア生保業界にはまだ新規参入社を受け入れる余地があると語っている。
2017年中には、「1つのグループは生保会社を1つにすべし」という「シングルプレゼンスルール」を遵守するために、アクサグループが、アクサ生命とアクサファイナンシャル生命を合併させた。
2014年に施行された新保険業法に基づく規制への本格対応が求められる時期を迎えているため、インドネシア生保市場におけるこうした生保会社の出資関係の調整はこれからもしばらく続きそうである。
インドネシア生保市場の動向については、今後とも継続的、定期的にフォローしていくこととしたい。
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松岡 博司
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(2018年04月17日「保険・年金フォーカス」)
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